2004年9月

2003-2005

NYの思い出

約一年ほど前。
ひとりでニューヨークへ行ってきました。
一ヶ月半マンハッタンやその周辺を
ぷらぷら。 毎日写真撮ってました。

HPリニューアルにともない
写真を整理してたら、
またいろんな事を思い出しました。

あの時、あのタイミングで行けたことは
ほんとうによかったです。

たくさんのアート作品にふれる事が
できたという事もとても貴重な体験でした。
素晴らしいものもあれば
素晴らしくないものもありました。(笑)

写真の、ゴルフをしているような作品は
中央のごちゃごちゃしている部分が
はりがねの固まりになっています。
その固まりは計算された固まりであって
はりがねに向けて斜め上から光りをあてると
このような絵が壁に浮かびあがるという仕掛け。
光と影の芸術作品です。

びっくりして、じっと見ました。

次ぎの手を縫ってる作品。(笑)
手の平の薄皮を針と糸で縫ってます。(笑)
それをビデオに撮ったものをギャラリーで
流していました。
最後は手の平に花模様ができてました。

ばかすぎです。 すごい好き。そこが。

最後の写真は、ソーホーのギャラリーで。
通りを歩いていて、ふと横を見てハッとした光景。
一番奥の壁に飾ってあった絵。
黒い背景の中に浮かびあがる白い姿。 ふたり。

こわくてこわくてこわくて。 引き寄せられました。

なぜかはわかりませんがとても好きな世界なのです。
この絵の前に30分は立っていたと思います。
ひとりで。

NYで見た変なもの

この顔がぽつぽつだらけのランプは
ソーホーのギャラリーにあったものです。
ちょっと欲しかったけど。(笑)
売り物ではなかったと思います。

骸骨がビールを飲んでいるのは、
リトルイタリーのレストランの前。
かわいかったです。

ウィッグショップのディスプレイ。
これは…..やはりモチーフは
日本の落ち武者….?(笑)
でも顔が外人です。(笑)

そして。 ちょっとこれはやりすぎなんじゃ…
(笑) こわすぎです。
ここまでのディスプレイはなかなか日本では
見れないと思ったので撮ってみました。
「記録」な心で。(笑)
もっとすごいのいっぱいありますが
ここにのせるのはこのくらいにしておきます。
はて? なに屋さんでしたっけ?
………おもちゃ屋?  雑貨屋?

ごめんなさい。   忘れてしまいました。

師匠


これもソーホーのギャラリーで
見たものだったと思います。

見た瞬間。
師匠と自分の関係を思い浮かべました。(笑)
まさに。
こんなバランスなんじゃないでしょうか?

両手広げて颯爽としてますが…
まるで自分が主役のように。(笑)
所詮、夏野苺なんて、
基本的な根っこの部分を支えてくれている
師匠の存在あってこそ、だと思います。

それにしても、師匠も冒険好きです。
ちょっと…その足は…(笑)あぶないです。
なんだってまた、そんな立ち方を。(笑)
難しいだろうに。(笑)
脅しでしょうか? 威嚇?(笑)
いや、普段見ていると
どうも難しいことが好きなようです。
かなり変わり者です。(笑)

私達はこんなバランスでがんばっています。

私のことを「師匠の七光りのくせに」と
攻撃的なムードで言った人がいましたが
「うるせーな。光ってるだけいーだろ」(笑)
と思います。
そういうこと言う人に限って
全然自分が光ってなかったりするのでした。

七光りなら七光りとして
けれどただの七光りではなく、こうなったら
一流の七光りを目指そうと思います。(笑)

いまになってわかること

自分のチカラを使って移動していた時期が過ぎて。

いま、私はぐんぐん勝手に凄いスピードで進む
レールの上にのっかった感じ。

….いつから? この流れに?

……………………。 どう考えても。  あそこだ。
あそこからに違いない。

今年の初めにまっ逆さまに落ちたあの暗闇の世界。
あそこの、あの……..苦しみ駅が始発だったと思う。

私の望む行き先は、あの駅からしか出ていなかった。
と思うので、やはり、どうにも苦しいあの感じを
避けて通れなかったのは仕方のないことだったんだろう。

すべてがこれでよかったのだ。  すべてこれで。

ここまできて、ようやくそう思えるようになったのです。

大入り袋

またです。 ……ふたつめ。
大入り袋です。 どうしてこんなに
めでたい気持ちになるのでしょうか!(笑)
まんなかに私の名前が書いてあって。
とてもとてもとてもうれしい。

S.E.T(スーパーエキセントリックシアター)の
タイツマンズ公演に呼んでいただきました。
会場では私が撮影したパンフレットが
売っていました。500円で。(笑)

やはりS.E.Tのお笑いはアートだと思います。
笑いのなかにある、もの凄いチカラに圧倒されて
いつもどうしても見ている途中で涙がこぼれます。
感動してしまうのです。

大入り袋は公演後の打ち上げの席で
いただきました。 打ち上げは…
また舞台を一本見てしまったような(笑)
笑いまくりの宴会でした。
S.E.Tのメンバー達の魂は笑いそのもの。
舞台を降りた後でもぴっかぴかに光っていました。

笑うことは。 人を一番元気にすると思います。
だからS.E.Tの仕事は
神様の仕事にもっとも近いものだと思うのです。

三宅裕司さんをはじめS.E.Tのメンバー全員を
心から尊敬します。

たくさんの笑いを、ありがとう。

☆写真のTシャツは
タイツマンズオリジナルTシャツ。
イラスト。かわいすぎ。おかしすぎ。です。
大入り袋と一緒にいただきました!

しょんぼり

死にたいほどショックなことが。

………………。

だからコンピューターなんてきらいです。

さっき、エッセイのためのとても大切な文章を
なくしてしまいました。(泣)

いま、とても悲しい心です。
ああ。いったいどこへ消えてしまったのでしょうか…

出来た文章はいつもデスクトップに保存するのですが
今日はなぜか「HD」のなかにまぎれこんでしまったようで
…..くすん。(泣) 2時間も探してしまいました。
けれどとうとうみつからなくて、恩田ちゃんに
悲しい心を綴ったメールを送ったのです。いまさっき。
そしたら
「苺さん?こちらもしもし相談室ですが。(笑)
だいじょうぶですか?」…と電話。
しばらく一緒にいろいろやってもらいましたが。
やはりだめでした。(泣)

私にとって書くということは
写真を撮る作業とまったく同じで、
それはたった一瞬のことなので
一度逃してしまったなら、もうおしまいです。

あっと思ってさっとつかめたものが一番素敵です。

心をなるべく同じように戻して。
もう一度書いてみましたが。
さっきのが100点としたら……..今度のは…
60点くらいでしょうか。

苦しくて、くやしくて。  たくさん泣きました。

きのうのこと そしてこれから

あわてていた自分がいけなかったのでした。
あの文章はどこかへまぎれてしまったか、
消えてしまいました。
ぴかぴかにかわいく光った、あの時の私の心を閉じ込めたまま。
たぶんもう会えないでしょう。
一瞬の出会いと別れでした。

私はどうしてあんなにあわててしまったのでしょう?

ここのところ、新しい動きが多方向から同時にやってきて
ちっぽけな私はくるくると意味もなくただあわてて
焦ってしまっていたのでした。
はやくしなくちゃ、はやくはやくって。
たくさんの事を同時に無理やり片付けようとして。

ここまでは来たことがあります。 人生のうちで何度か。
でもいつも同じところで怖くなって、
引き返すか、途中下車してしまうか、でした。
何度もやり直して思い直して急いで引き返し、また走って…と。
ばかな私はなんべんも同じことを繰り返してきました。

私は、怖がりのビビリやでカッコ悪い人間なのです。
だからこの先の景色はまだ見たことがありません。

とうとう一度も来たことのない、新しい扉の前です。

今、ドアノブに手をかけました。
ゆっくりまわしましょう。 あわてないで。

新しい世界へ。 進むと決めたなら。 今度こそは。

もう走りません。 ここから先は知らない道なので。
足元を見つめながら慎重に。 一歩一歩ゆっくり進みます。
まわりの景色も楽しくながめながら。

私の恋愛観

すきです。
あいしてます。
しあわせにします。
ずっとまってるよ。
もうはなさないよ。

あまくすてきなことばをならべるのはかんたんです。
いうだけなら。  かんたんです。
そのときのきもちのいきおいにまかせて。
じぶんのことばによいながら。
じょうきげんになってきぶんいいのはじぶんです。

ほんとうにだれかをすきになるということは
いたくてくるしくてせつなくてすこしかなしいこと。

よのなかにそういうことがあるんだということを
しること。

すきです。
あいしてます。
しあわせにします。
ずっとまってるよ。
もうはなさないよ。

…ことばだけではダメです。
そのとおりにうごかなければ。

れんあいこそ。ふげんじっこう、だと。 そうおもいます。

そして。 ひとはみんな。 じぶんのれんあいをするしか。

それしか、ほかにほうほうはないのだとおもいます。

エラーな毎日


様子がおかしくなってきました。(笑)

狂っています。 リズムが。 完全に。

起きている間には湯水のごとくあとからあとから
いろんなアイディアがあふれてきて止まりません。

さんざん出切った後、瞬時に電池が切れます。

這うようにしてベッドまでいきます。
そして。
寝ても寝ても寝ても寝ても、眠れます。
まだまだ全然眠れます。だからどんどん眠ります。
けれど。
突然目が覚めて。 またまたアイディアが…..
の、繰り返しなこの頃の毎日。

一日は24時間というくくりが完全に消えています。
孤独に宇宙空間を
ただたださまよっているような感覚です。

食べたいものは。  カレー。(笑)
カレーばかり食べてます。
身体がカレーを欲しがっています。(笑)
毎日…あれっ?
ひょっとして毎日食べているんじゃないでしょうか?

外で食べたり。 家でつくったり。

今日は、新宿中村屋のカレーを食べました。
季節の野菜カレーっていうやつ。

辛くておいしかったです。

壊れゆく、けれど何かに向かって再生してゆくような
今のこの感覚を楽しもうと思います。
これまでのように怖がらないで。 けして。

狂っていく自由を、自分に許そうと思います。

中山俊 最新情報

なんだよなんだよ。
ムっカつくんだよ。
どんどんカッコよくなっちゃって。

キーっと…ムラムラしてきます。

新作、撮りたいなあ。
あの絵やらこの絵やら。 浮かんでくるよ。
その顔見てると。

それにしても。
カッコよすぎてムカつくんだよ。
ここは新橋のただの居酒屋なんだからさあ。
なんで西麻布のバーにいるみたくなっちゃうのさ?
どこで呑んでても。

ムカつくんだよ。(笑)

映画

不二子の初主演作品が決定しました。
明日クランクインです。
私はスチールカメラマンとして
全行程同行予定です。
都内撮影及び地方ロケあり、
15日クランクアップというスケジュールです。

映画のスチール撮影は初めての仕事です。
映画の世界へいきたかったのでとてもうれしい。
先日、役者の衣装合わせの場にも同席しましたが
一本の映画ができるまでを
この目で見ることができること、
自分がスタッフとして参加できること、
なにもかもが新しくてわくわくします。

監督は瀬々敬久(ぜぜ たかひさ)。
今回の作品は監督、脚本を手掛けています。
映画の世界は監督の苗字をとってスタッフ全員を
「○○組」と呼ぶんですが、私は….
瀬々組に入れたわけかあ…………ああ。(!)

台本をいただきました。
はじめてなので嬉しくて何度も読みました。
シーンごとに映像が浮かんできます。
絵がイメージできる本でした。
実際にはどんな映画ができるのでしょうか?
楽しみです。

はあ….。(笑) うれしいためいき。

☆瀬々敬久 主な監督作品
「KOKKURI こっくりさん」 矢松亜由美/嶋田博子
「雷魚」 佐倉 萌
「冷血の罠」 哀川 翔/西島秀俊
「HYSTERIC」 小島 聖
「DOG STAR」 井川 遥/豊川悦司
「MOON CHILD」 Gackt/HYDE

朝焼けの空

ぱっと。  いきなり目が覚めました。

飛び込んできたのは、真っ赤な窓の外。

新しい一日のはじまり。

神様がくれた贈りもの。

そして頭上には。私を見守る半月が。

クランクイン

スタートしました。

なにもかもが違います。 なにもかもが。

今日、初日だったので
片岡礼子にもらった魔法の玉をお守りに
カメラバッグに忍ばせて持って行きました。

映画の神様には。
いつ会える?  私はまた
奇跡を見るかしら?

女優 不二子

溺れるシーン。

川に一時間ほどつかったまま。

唇はむらさき。 顔面蒼白。

寒さで全身の震え止まらず。

それでもカチンコがなった瞬間。

速い流れの中で。 迫真の演技。

何度も。 何度も。

発光し続ける女優。

被写体は。
もはや光は外側からのものではなく
自分自身が光そのものになれるということを教えてくれた。

ファインダーの中は眩い世界。

そしてシャッターをきる私もやがて光となり。

写真の神様が姿あらわす瞬間。

缶詰め

今日から長野の山中にこもります。

クライマックスシーンの撮影です。

3日後、東京に戻ります。

長野ロケ

ゆうべ遅くに東京へ戻ってきました。

3日間。 山小屋にこもりました。
一日が24時間という感覚が
自分の体内時計から消えてしまった私としては
大変ノリやすいペースでした。
3日間というよりは、なが~~~いながい
72時間という1日を過ごした感じです。
途中少しづつ仮眠はとりましたが
連日、夜明けから夜遅くまで続いた撮影。
どっぷり映画風呂につかった感じ。

ショートストロークな写真撮影とは
全然違います。
とても長い時間集中しなければなりません。
写真の仕事でも、たとえば
グラビアで泊まりロケとかありますが
映画はもっとなんていうかこう….
イメージは「工事現場」な感じ。(笑)
写真の世界も編集者やヘアメイク、スタイリスト等
その他たくさんの人間が動いての制作になりますが
映画はさらにさらにたくさんの人間が動きます。
本当にたくさんのチカラがあわさってできていく
というのが一番の実感でした。
直接のスタッフだけではなく、
たとえば今回、一般の民家を借りての撮影の時。
自分の家を提供するだけではなく
スタッフ全員へお茶や手作りの漬け物を
さりげなく出してくれたり…
映画館で作品が上映される時には映らないけど
こういう影で支えてくださる人達のチカラも
映画をつくっていくのに大切なんだと思いました。
現場に入るまでは
監督と主役がスタッフの頂点なんだろうと
勝手に思ってましたがそれは違いました。
スタッフ全員横並びの意識、だったと、思います。

映画は「みんなでつくる」んですね。

それにしても私はスチール担当だったので
撮るシーンと撮らないシーンがあって
休憩もほかのスタッフよりあったけど
やはり監督やカメラマン、音響さん、照明さんは
ずーーーっとずっと働いてるわけで
あの集中力の長さは脱帽ものです。 すごい!

身体弱い人は絶対無理です。(笑) 映画制作。

☆訂正  今回の脚本は監督が書いたものでは
ありませんでした。
佐藤有記さんという方の本でした。
ごめんなさい。

食事

すべての監督がそういうやり方をするのか
それはわかりませんが、瀬々監督は
食事の時間をとるタイミングがきっちりしていて
食いしん坊な私はとても嬉しかったです。(笑)
写真の現場だと、「これ撮っちゃうまで」とか
いいながら食事が抜けてしまうことも
しょっちゅうなので。

朝6時とだいたい昼12時、夜7時頃になると
「しょくじきゅーけーとりまーす!」という
助監督さんの声が響きます。

みんなで一緒に食事します。
大家族です。

「炊き出し係り」という
みんなの食事をつくる役割をもったスタッフが
いるんです。
なので、「手作り家ご飯」なわけです。
こういうちょっとの暖かさが、
またスタッフの心を元気にするというもんです。

炊き出し係り

原尚子ちゃんです。
毎食ありがとうございました。
どのご飯もおいしかったです。

朝食が終わるとすぐ昼食の準備。
昼食が終わると今度は夕食の。

「一日中ご飯を作るんですね?」
と聞いたら笑顔で「そう」と
答えていました。

だいたい朝6時過ぎには朝食だったので
…そうすると彼女の起床時間は?
準備時間を考えると一番早起きさん?
でも、夕食後の後片付けや
撮影終了後にスタッフが
軽く呑むためのおつまみを用意して
またそれを片付けて、とか。
遅くまで起きていたようですが
いったいいつ寝ていたのでしょうか?

今回の映画をつくるうえで
彼女のチカラは大きいと思います。
だって我々は皆人間。
ご飯食べて、
それが実際のエネルギーとなるんです。

彼女のチカラはスタッフひとりひとりに
ダイレクトに伝わっていたんだと
そのように思います。

そして最後の〆はやはり。
信州そば、でした。(笑)
ここは長野なので。

でました。 カレー

(笑)よかった。 カレー、出ました。

すごいデカイ鍋につくられていました。

お~いしかったです。

あんまりおいしくて食べ過ぎちゃいました!

さて。

今日はお休みの日でしたが
明日からいよいよ撮影終盤戦にかかります。

最後は都内ロケになります。
詳しい場所をお教えすることはできませんが
まあ…明朝スタートで
あさっての午前中までぶっとおし撮影、
そのままクランクアップ予定です。

…….またながいながい一日になりそうですが。
そんなスケジュール、いったい
誰が思いつくんでしょうか(笑)
監督でしょうか?

過酷です。(笑)    でも頑張ります。

クランクアップ

すべて終了しました。
瀬々組の撮影、
本当に楽しかったです。

瀬々監督、
助監督の坂本さん、伊藤さん、菊地さん。
カメラマンの斎藤さん、音響の山口さん。
ヘアメイクの島田さん。
その他たくさんのスタッフの皆さん
お疲れさまでした。
ありがとうございました。

たくさんのことを学ぶことができました。
なんだか、自分のなかのひとつの季節が
終わってしまったような気さえします。
確実に。 変化しました。 何かが。
はっきり「なに」とは言えませんが。
言葉じゃない何かが。
私の奥で、ぴかりと光りました。

このような仕事をする機会を与えてくれた
芹川事務所のマネージャー、染谷祐子にも
心から感謝いたします。

いま、新しい風が吹いています。心のなかで。

主役


不二子。
初主演作品、無事撮影終了おめでとう。

相手役の小谷健二くん!おつかれさま。

最後は明け方の銀座中央通りでの撮影でした。
しかも小谷くん。こんな格好で。(笑)
ホラー映画ではないんですが。(笑)
後半、彼はずっとこの格好でした。
さて。どんなストーリーなのでしょうか?
それはまだ秘密です。
公開が決まったらまたこのエッセイでも
お知らせします。
皆さんぜひ劇場に足をお運びくださいね。

(撮影の一番最後。ラストシーンでは
不二子の演技に引き込まれ、
泣きながら撮影しました。
切なく痛い世界でした。悲しかったです。
いま思い出しても涙が出ます。
あの時あの瞬間。
ファインダーのなかにいたのは。
不二子ではありませんでした。
妙子という名のひとりの女が
ちゃんと実在していました。)

カチンコ

今回、なんといっても感動したのは
カチンコ。(笑)
すみません。めずらしかったので。
生カチンコは初めて見たのでした。

監督の「よ~い……」というかけ声と共に
撮影するシーンナンバーが書いてあるカチンコを
助監督がカメラの前にスタンバイします。
で、「…はい!」と言ったら
カチン!といくわけです。
そこから役者の演技が始まり
カメラもまわり出します。
カチンと鳴らすのにもコツがいるようで
助監督さんの大切な仕事のひとつです。

私は、以前片岡に
カチンコ鳴らす時「アクション!」て言わないの?
と聞いたら
「さあ…?それハリウッドじゃないの?」
と冷めた目で言われたことがあります。
ぶははははは。(笑)
でも撮影を止める時には
「カット!」と言ってた….監督かっちょい~。

特殊メイク

傷…..つくってましたですね~。
いたそ~に見えます。

夜明けの散歩

最後の撮影場所が銀座だったので
私はスタッフとお別れしたあと、
ひとりでぶらぶら家まで散歩。
ふとコレド日本橋の地下にある
上島コーヒーで朝食を、と思い
…..こんなの頼んでみました。
おいしかったです。

食べながら
撮影のあれやこれやを思い出し…

そういえば、撮影終盤戦。
最後の昼食の時。
出ました。ふたたび。カレー。
食べると身体が落ち着く。
よかった。ほんとうに。
ロケ中、偶然、2回も。

打ち上げ

瀬々監督が飲みに連れて行ってくれました。
ふーちゃんや小谷くんも一緒。
新宿の韓国料理屋さんです。

なにを食べてもすごーくおいしくて!

そのあと赤い目の看板が怪しいバーへ潜入。
店内も赤いライトに照らされて…。
ふかふかのソファに座りながら
カクテル飲みました。

途中から、
なんだか少しみんな黙ってしまいました。
心はどこへいっていたんでしょうか?

私は、映画のなかにまた戻っていました。
最後、あのラストシーンを撮った
銀座の明け方。
天に向かって号泣しながら叫び声をあげる
悲しい妙子の魂にスレ-ヴした瞬間の。
あの場所に戻っていました。

酔ってくるくるするなかで。

飛び込んできた言葉

そういえば長野の山小屋にこもって
撮影してる時、何気なく
暖炉の前にあった新聞に目を向けると。

書いてあった言葉がいきなり
心のなかに飛び込んできて…

え~…そんなこと突然聞かれても…(笑)
とびっくりした私。

とっさに浮かんだのは。

あのひとのかお。

絵本

実は私は絵本を集めるのが趣味。
何年か前に一度整理してしまいましたが
それでもどうしても、というものが
いま手元に残っています。
数えたら29冊でした。

「100万回生きたねこ」は
すっかり有名になってしまいましたが
同じ作者の「おれはねこだぜ」は、かなり笑えます。

ゴフスタインとサラミッダは宝物です。

「マルセランとルネ」は
友達って? 人との真のつながりって?
…ということを考えさせられる一冊です。

レイモンドブリッグズの「風が吹くとき」
…は、こわい一冊です。 原爆のお話です。
作者はスノーマンの生みの親です。

こわいといえば、もう一冊。
「ハリスバーディックの謎」という絵本。
不思議な物語。 絵がとてもきれい。
こわいけど、ちょっと素敵なドキドキ感を味わえます。

いわさきちひろは、もう定番ですよね。
美術館にも行きました。

一番最近みつけた宝物絵本は
シェル・リンギの「しらないひと」
とてもピースフルでかわいい絵!

でも。 以前からずっと気になるのは荒井良二さん。
もぉ…とても会いたい人です。
彼の絵…かわいくてかわいくてたまりません。
だいだいだいすきー…なんです。

ひとりでぶらぶら

…したくなったので
あてもなくふらふら歩いてみました。

着いたところは、新宿紀伊国屋書店。
あ。 おさむちゃんの本が!
『おがたQ、という女』
しかも「サイン本」と書いてあるぞ。
ふふふ。サイン…したんだ。(笑)
本をなでなでしてその場を過ぎ去る。

外へ出てまたふらふらしてたら。
あ。 黒猫ちゃん。
私は黒猫に遭遇すると良い事があるという
ジンクスの持ち主なのでした。

その後もふらふらしてたら。
お! こんな所に。
「いちご薬局」….どーでしょーか(笑)
うーん。笑っちゃいました。
効くんでしょうか?くすり。
心配になるような看板です。

家に着いたら夕焼け空が見えました。

あかいそら。

ふらふらな一日。

未知なる世界

どうしたらあんなふうに撮れるんですか
と、よく聞かれる。

どうしてでしょう?
ごめんなさい。私にもわかりません。
なんの仕掛けも努力も勉強も
していないのです。

ただ。 撮りたいもののイメージが
いつもどんな時でもはっきりしていて
もっとも重要で先行するのはその部分で
あとは実際にそのような場面に
この人生のなかで遭遇できますようにと
願って。 祈って。
毎日、毎秒、毎瞬。
願って。 祈って。

そうすると魔法のように
そのような絵が撮れるのです。

説明しようとするとこんな言葉になりますが
まだどこか何か足りないような気がします。

映画の写真ができあがってきました。
思わず今度は自分で自分に聞いてしまいました。
「どうしてこんなものが写ったんですか?」
…びっくりです。
あの時私がこの目で見たものとは
少し違うものが写っていたんです。
私の心の中にだけひっそりあったものが
この世界に生まれ出てしまった感じです。

少しでも気を緩めると怖くなって
また引き返してしまいそうです。
でも進むと決めたので。

もっともっと先を見てみようと。

答え

朝一番の光りが
壁に可愛らしい小窓をつくった。

思わず「さよなら」と

手をふった。

荒井良二

びっくり。
…….会う事ができました。 それも偶然。
ついこの前、このエッセイで「会いたい」
と書いたばかりだったので
自分でも驚いてしまいました。

原宿のクレヨンハウスの前を通ったら
ちょうどサイン会をやっていたのでした。

挨拶をして名刺を渡し、
自分が写真を撮る人間だという事を伝えました。
ちょうど、できあがったばかりの映画の写真を
持っていたので一枚さしあげました。
「映画、とったんです」と渡したら
「えっ?そーなの?」と驚いていた。
なぜ、そんなに?…と思いましたが
あとからよ~く考えたら
私が映画を一本制作したと思ったのかも…
あ~ん☆ごめんなさい。ちがいます~。
スチールです~(笑)

荒井さんは思ったとおり素敵な方でした。
私も絵本にサインしてください、と頼んだら
「いちごって名前なの?おお…笑」と言いながら
な、な、な、なななんとぉっ!!!
こんなオリジナルイラストを!!!

いや~ん☆ハート型の地球に苺がのってるです~

世界で一枚!ですぞ!

たからものっ!です!

荒井良二さんのタロットカード

一目惚れで買いました。
今年の春くらいだったかな?
本屋でみつけて。

荒井さんの絵はとてもキュートで
かわいいんだけど彼の根底には
かなりブラックなものが潜んでいると
感じます。
そのブラックな部分を可愛いイラストで
表現できるところが
最大に好きなところなんです。
私も自分の写真世界では
そういう表現の仕方を目指したいと、
それはもう一貫してずっと思ってることなので。
荒井良二さんは憧れです。

このカードは
ダークサイドなタロットの世界を
キュートイラストで荒井良二が
表現しているわけです。
荒井さんにぴったりなお仕事!
と思いました。

その他荒井さんの作品は
江國香織さんの文庫で持っています。
2冊。 大好きで時々読み返します。

Fly

また一枚のCDにであいました。
大切な話を、人にしに行く時に。

知らないアーティストでしたが
試聴したら一発で中心に入ってきたので
即、買いました。
英語なので何を歌ってるのかわからなかったけど。
帰宅して訳詞を見てみたら….なんと。 こんな歌。

「Fly」

一瞬ですべてが変われるわ

肩をすべる風を感じて
ほんの少しの間くらい世の中なんか待たせておけばいい
昨日を捨て去って
呼ぶ声が聞こえる?
心の中で感じてる?
この焦がれる気持ちを信じて
抑えていられる?

飛べ 隠れようとする自分を解き放つの
輝けるわ
出来ないと決めつけてた理由なんか忘れるのよ
やってみるの
だって今こそ その時なの
羽ばたくときなのよ

心配事はみんな
どこかにおいてくればいい
自分の夢をみつけるの
何もないと思ったらその手を伸ばしてみて
世の中が虚しいと感じたら

ひとりぼっちで落ち込んで
逃げ出してしまいたい時でも
自分を信じて 諦めないで
自分のことは誰よりも自分がわかるはずでしょ

一瞬ですべてが変われるわ

キネマ旬報 男優倶楽部VOL.17  本日発売

忍成修吾くん。 撮りました。

きれいなひとでした。

インタビュー中、
彼の答えることを聞いていて
「え?これが21才の言うことか?」
という箇所が何ケ所も…..

…いや、年齢は関係ない。 あれは…

一個の魂の発言だった。

特に印象的だったのは
「人を叱れる大人になりたい」と
言っていたこと。
怒る人はたくさんいるけど
そうじゃなくて叱ることができる
そういう大人に僕はなりたい、と。
人を諭すためには
自分がじっと待つことも大切、と。
そう言ってました。

あああああっぁ~…..耳が…
イタイ。
いつもいっつも、怒ってばかりの私よ…
撮影の準備をしながら、くく…っと
ひそかにうなだれた私…..。

忍成くんの
来年公開予定の主演映画。
http://www.animusanima.com/
ぜひみんな観に行ってね。

その他の詳しい情報はぜひ本誌を!
掲載はP31~33です。
ちなみにその次のページは
小栗旬だあー!(もちろん私が撮ってるよ~ん)

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