2003年5月

2003-2005

片岡礼子

礼子に会った。
あの手術以来、はじめて。

駒沢公園。
大きな木の下で。
緑にかこまれて、ふたり気持ちよかった。

礼子の心は
今少し遠くにあって
誰もそこに入れない。
暗い場所にひとりでいる。
けれど私には
そこまでの道のりがはっきり見えるので
たとえ距離があっても
歩み寄って行こうと思う。

走れば、もっとはやく。
その分はやく。
礼子に、着ける。

映画の神様は、どこにいる?
礼子をスクリーンに戻してください。
そのための手伝いなら
私はなんでもすると
約束しますから。

礼子の目覚まし時計はどこに?

かっちゃんのこと

本当に次々と
いろんな事が起こる。

かっちゃんが倒れたという知らせ。
帰省先の長野で。
髄膜炎という診断らしい。
「ズイマクエン」
知らない病気。
しほちゃんに聞いたら、それ死ぬよ、
と言われていきなりびびる。

そのあと、別の人に聞いたら
「私の知り合い、それで植物人間になっちゃったよ」

…..。

なんと。
そんなおそろしい道を、なぜ通る?
かっちゃんよ…。

一日目はなんだかあっけにとられて
ぼぅっとしてたけど
翌日、急激な悲しみがやってきて
朝からたくさん泣く。
かっちゃんを思って一日泣く。
泣きながら暗室。
この前撮ったかっちゃんのスナップをプリントしたら
暗室中がかっちゃんの写真でいっぱいになって
まるで「春のかっちゃん祭り」みたいになっちゃった。
それを見てまた泣く私に、師匠が
「あのさ。…かっちゃんさ。…死んだわけじゃないんだからさ」
と、小さい声で言っていた。

あのCD…。
そうとは知らずに
でも確かに私を助けてくれたかっちゃん。
今度は私が助けたい。

夜になってルーンをひいたら
「祈り」が出た。
もう泣くのはやめて、心から祈ることにする。

かっちゃんは
自分の力で
安全な道を通ることができる、
ということを
まず、私が信じる。
かっちゃんの力を、信じる。
かっちゃんの運命を、信じる。
祈りのポイントは、もうその一点しかないだろう。
その一点に集中する。
絶対、大丈夫。
これは、かっちゃんにとって必要な通過点、という事にすぎない。
越えることに意味がある。
だから死んだりしない。

たぶん、かっちゃんの魂は急いでる。
無意識のうちに、一気に最短距離で
あの目的地へ向かおうとしている。
だから運命の歪みが出たんだろう。
急激な変化は痛みを伴う。
いっけん悪い事のように思える事が、いくつも起こったりする。
だけどそれを越えるだけの力が、きっとあるはず。

かっちゃんは選ばれた人。

病気が治ったら、いよいよ始まるんだ。
スタート地点に、彼は立つ。

祈りきる夜。
信じきる夜。
願いきる夜。
かっちゃんへ、心をとばす夜。

道を間違えるなよ。
必ずまた会おう。
この先の、あの場所で。
待ってるからね。

これは、魂と魂の約束。

あっつーへのメール

『かっちゃん。
さっき師匠に
メールあったんだって。
まだ生きてるらしい。
死なずにすむかな?
今朝、たくさん泣いたの。
昨日は平気だったのに
連絡受けて一日たって
今日になったら
涙がいっぱい出てきた。
変なの。』

かっちゃんのこと 2

今朝起きたら、流れが変わっているように感じた。

かっちゃん、とうとう
一番危ないところを抜けたんじゃないかと思う。
たった今。

そんな気がした。

落ち着いてよく考えてみたら
かっちゃんていう人は
ものすごく運のいい人だったという事を思い出した。

そうだった。

どうしてあんなに動揺して
泣いたりしたんだろう?
きっと人から、死ぬ、とか言われて驚いたんだな。

だけどかっちゃんは強運男。
私は知っている。
何度もそう思うところを目撃している。
自分より運がいい人って
身近かでは初めて見たかも、というくらい。

今回も実家にいる間のトラブルでよかった。
東京に戻ってから発症したんじゃ
手後れになったかも。
ひとりで入院ていうのも不自由だろうし
親元でよかった。

夢をみた。

ライヴ撮影。
本番直前。
白レンズがみつからない。
あせる私。
どうしよう。
フィルムもどこにあるかわからない。
どこだっけ?
どこにいれたっけ?

あせる。
あせる。
どきどきしてる。
あちこち探すけどみつからない。
本番が始まる。

そこへいきなり
かっちゃんが現れて
にっこり笑って
「はい、いちごさん。
レンズはここですよ」って
手渡してくれる。
あぁ、かっちゃん、と思って
「フィルムは?」
って聞くと
「もうカメラにつめてありますよ」って。
この人は今の私にとってゼッタイヒツヨウと
心がきゅうっとなるくらい
強く実感する。
かっちゃんが帰ってきてうれしい。

病気は? 治ったの?
と尋ねたところで目が覚めた。

白馬に乗った王子様が現れた時の気持ちって
こんなかな?
ていう感じがした。
夢のなかでかっちゃんに会えた時。

本当はこんなにかっちゃんを大切に思ってるって
知らなかった、全然。自分でも。

驚く。

知ってよかったんだろうか。

…まぁ、よかったんだろう。

阿久津ちゃんからのメール

『かっちゃんはとても素敵な奴!!
だと思います。
でも、なんていったらいいかなぁ~。
危うい人でもあると感じました。
それは、波乱万丈とでもいいますかぁ~。
いろいろあると思います。これから。
とてもいい感じなんだけど、
危うい感じ、イチかバチかな感じ。

でもひとつ言えることは
パートナー(…? 仕事を一緒にやっていくとかの?)として
いちごさんとは凄くあうと感じました。

魂がツルピカで、光ってると思います。
が、
貪欲な部分も持っているのは確かですね。

かっちゃんの今回の病気によって
あらためていちごさんは
かっちゃんの大切さを知らされたと思っています。
だからといって
今すぐどうなるわけでもないと思うのですが
みんな繋がっていて
こんな事やあんな事が起きながら
その絆が深まっていくのかなぁ~。

いちごさんが中くらいの丸で
かっちゃんが小さい丸で
藤田さんがそれを包む大きい丸。

一番最初にみんなと会った時のイメージです。』

決意

どんなに強く望んでも
望んでも
けして手に入れられないものなら
きっぱり諦めようと思う。
潔く。

この世に
この運命として
生まれたなら
仕方ない。

五木だんご

毋が来た。
おみやげ持って。
毋は五木ひろしのファンで
今日は明治座でリサイタルがあって
その帰りに寄ってくれたらしい。

が、しかし。
それはいいとして
何なんだよ。
この五木だんごってのは。

なんだかすごいな。
何がすごいって…そりゃ
五木ひろしが、だ。
だって五木だんごだぜ。

なんか、こう…
プロを感じる。

すごい。
五木だんご。
強力だ。

週刊ポスト ロケ

今年の3月にポストの撮影があった。
水谷ケイ。
かっこいい女だった。

うーん、なるほど。
裸で飯を食うとはこういうことか
と納得するような
芸術的な体。
体そのものが金を生むって
ストレートでわかりやすいけど
誰でもできることじゃないし
だから、すごい。
感動した。

本誌はおととい5/9発売。
見てね、みなさん。
明日5/12にはこのH.Pも
更新されてトップページはものすごいぞ!
その他、水谷の秘蔵写真等々、今回はエロエロ構成になっているので
お楽しみに。
水谷はローリングストーンズな女です。
かっこいいです。
また撮りたい。

しかし。
私もモデルもヘアメイクもスタイリストも
今回は全員女、そこに黒一点で参加、
しかも彼にとっては
これがグラビアデビューだというのに
いきなり裸の撮影。
過酷な現場条件のなかで
最後までしっかりアシストを
勤めてくれたかっちゃん。
えらい! お疲れ様。
ありがとう。

僕の言い分

あのさ、君に言いたいことがあるんだ。
頭でなんて考えてちゃだめだよ。
それじゃいつまでたってもわかりあえない。
頭を使って理解しあうことなんて求めちゃいないよ。
心で感じあえる絆が欲しいんだ。
それがオンリーワンてものだろ?
オンリーワン、オンリーワンて
流行り唄に浮かされて
君はたくさんの人とのつながりにそのコトバを使っただろ?
ばかいっちゃいけない。
オンリーワンはたったひとつ。
一回しか使えないんだぜ。
君の言ってるオンリーワンは
ちっともオンリーワンじゃないよ。
ちっともたったひとつじゃない。
コトバの使い方を間違えてる。
それを知ってるから、僕はあの時怒ったのさ。
冗談じゃないって。
僕のこと、オンリーワンって言った、あの時。

でも勢いよく怒ったあとに気付いたんだ。
突然、ハッとして。

僕らのタイミングはよかった。
でも。
僕らのバランスは悪かった。

僕の想いだけが深すぎたんだ。

オンリーワン論争

気になることがあったので
私が好きだと思う人達に
メールを出して聞いてみた。

「オンリーワンとナンバーワン。
その違いは?
あなたが言われてうれしいのはどっち?
大切な人に言いたいのはどっち?
その理由は?」

私の答えはナンバーワン!

でもびっくり!
きた返信のほとんどはオンリーワン。
…こりゃ驚いたね。
なんでだよ。
みんな一番になりたくないの?

私が思うに…

なんだ、ということにさっき気付きました。

結局私が質問した人達は
みんないい人だった…というのが結論です。

私はちっともいい人じゃないのでいくら説明されても
理解できなかったんだろうな。

いい人の世界の
話だった。

それぞれをそれぞれに大切に思う、なんて。

しかし、そんなこと言ったらオンリーワンなんて
みんなオンリーワンじゃないか。
それぞれの人の良さを認めるとか
花の種類はそれぞれあってみんなすてきだからとか…
私が聞きたいのはそうじゃなくて
たとえば、全部の種類の良さを認めたうえで
でも自分はバラが好き、とかチューリップが好きとか
…あるだろ? そういうの。
これが一番好き…とかさ。 一番大切…とかさ。
イチバンてコトバ使わない? そういう時。

…まぁ、使わないんだろう、みんな。
私が欲張りで人のことなんか何も考えない人間なので。
こんなこと言ってるのは私だけか…

あぁ。 吐き気がするほど孤独。

と、思っていたら
やっぱりナンバーワンに一票!って阿久津ちゃんからメール。
やっぱりー?!
だーよねぇー!!!

そして不二子(松尾玲央)からも「いちばんはいちばんでしょ」
とメール。
うれしい。 仲間だ。 たぶんみんなひどいやつ。

でも今回スペシャルに意外だったのは
がくちゃん。
彼こそはずっといい人だと思っていたのに
質問の答えは「ナンバーワン!」
ナンバーワンになれなくても…なんて
僕は死んでも言わない…って。すごい。しびれる。
だよね?
だって、なりたいよね?
好きだったら。 大切だったら。
その人のナンバーワンに。
目指すよね?ナンバーワン。

何が正しくて何が間違ってるという話じゃないんです。これは。
それこそ人それぞれ。
それでいいんです。
ただ。

わかって欲しい人には、わかって欲しくて必死になるじゃないですか。
その人のなかに自分と同じところみつけたくて、探したりするじゃないですか。
今回ある人とそこが行き違っちゃって、びっくりして、
たくさんの人の意見も聞きたくなった…
ただそれだけです。
質問に答えてくれたみなさん。 ありがとうございました。
とても興味深い答え、なるほどと納得できる答え、
思わず笑っちゃった答え、いろいろあって面白かったので
次回のエッセイで紹介します。

それと最後にひとつ。
私が個人的に思うこと。
争いや競争が悪いことのように表現される場合がありますが
私は必ずしもそうだとは思いません。
自分の中心から沸き上がる愛情から発生する争いならば
その戦いはけして悪いものだとは思いません。
その争う心の裏には
強く願う心、激しく求める心が存在します。
この人生でもしも、
そうまでして手に入れたいものに巡り逢ったなら
それは、とてもしあわせなことだと思うのです。

争ってでも手に入れたナンバーワンの先に
オンリーワンがあるような気がします。

なにはともあれ、まずはナンバーワンを目指します。
まだナンバーワンにもなってないのに
いきなりオンリーワンと言われても怒ります、私は。
だってそのオンリーワンて意味違う。
「それぞれに良い」なかの「それぞれのひとり」になるなんて。
横並びじゃねぇか、それじゃ。 ばかやろう。
…という感じです。(笑)

only one or no.1

みなさんからいただいた答えを
この場を借りて紹介させていただきます。

ーonly one派ー

*恩田ちゃん(プログラマー)
『ま、冷静に比較されたうえでイチバンがいい、
という意見もあるけど。
一般的なニュアンスとしてはオンリーワンは不動の一番。
ナンバーワンは変動ありの一番、かな。
自分にとってのゆずれない一点であるなら
それはオンリーワンだと思う。
ナンバーワンは頑張ればなれる。
ナンバーワンは絶対評価。オンリーワンは相対評価。』

*北條氏(会社取締役)
『ナンバーワンは複数のなかのトップ。
オンリーワンはたったひとつ。
ランキングではない。
ボクはオンリ-ワンがいい。
ジャストワンて言い方もあるかな。
ボクのなかでたったひとつ。そんな感じかな。』

*久美ちゃん(スタイリスト)
『オンリ-ワンはただひとりなわけで
ナンバーワンは誰でもなれると思うから。』

*あっつー(アーティスト)
『ナンバーワンの裏には競争が付きまとう。
オンリ-ワンの裏には何もない。
絶対的な存在なの。他人にはつとまらないユニークな存在。』

*俊くん(俳優)
『自分が言われてうれしいのはオンリ-ワン!
オンリ-ワンてことは他と比べるものがないってことだから
すなわちナンバーワンでしょ?
そういえば昔付き合ってた女に「何番目に好き?」って聞かれて
「いちばん!」て言ったら「2番があるんだ!」
って怒られたことがありましたとさ…。』

*KIYO(ミュージシャン)
『ナンバーワンは複数のなかのひとつ。また、優劣をつけることを前提で使う。
オンリ-ワンはひとつのなかのひとつ。
あとにも先にも他に変わるものがない。
言われてうれしいのはオンリ-ワン。私は私しかいないから。
言いたいのもオンリ-ワン。その人もその人しかいないから。』

*はなちゃん(ヘアメイク)
『仕事ではナンバーワンだけど、好きな人にだったらオンリ-ワンかな?
むずかしいね。なんか深い。』

ーno.1派ー

*阿久津ちゃん(デザイナー)
『ナンバーワンて言われたい。ナンバーワンに一票!
そっちの方がかっこいい。
ちなみに私の最高の意志表示は「ろっけんろ~だなあ~(Rock’n Rollの意味)」
が、そういう時に使う言葉です。
なので、「いちごさんはけっこう、ろっけんろ~だなぁ~」
ってことになります。

*がくちゃん(編集者)
『ナンバーワンになれなくても…なんて、死んでも言わないな、たぶん。
おまえが一番。おまえは特別。
よくみると、一緒かな。
そもそも僕のなかで一番てことは、特別ってことだからね。』

*松尾玲央(女優)
『一番とただひとつ?ならべて比べるようなもんじゃない気がするけど。 一番かな? 
君はオンリ-ワンとか言われても、なんだかごまかされたような気がするから。
いちばんはいちばんでしょ。』

はい。…というわけでした。
みんな、ありがとう。
ちゃんと答えてくれて。

でさ、最後に。
つい、1週間前に彗星のごとく私の前に現れた女、
山岸寿子からのメールを紹介する。

『うちの爺と婆に、
オンリーワン と ナンバーワン 聞いてみたよ。

おばぁちゃんは、最初は、???って感じだったけど、
一応理解した後(多分)、
「そりゃ~、1番だから、あなただけ、とか、
たったひとりのっていうんじゃないの?だったら、
それが1番、ってことじゃないの?両方だね両方」
と、どっちも、という強突な答えが・・・これじゃ答えにならないよね
ちなみに彼女は87歳

おじいちゃんは、どっちもおんなじよう といいつつも、
どちらかといえばオンリーワンらしい。
何故か?はまだよくわからない。
(ここまで来たら、一番とか、何番より、たったひとりだ。みたいなことを
言っていたから、おばーちゃんのことらしい、深くはつっこまなかったけど)
こちらは92歳』

なあぁ~るほど!(笑) 長老の御意見か。
うけるな、こりゃ。
なんだかもうどっちでもいいや、という気になります。

…楽しかった。みんな、みんなありがとう。
こんな私に付き合ってくれたみんなに心から感謝!!
言葉はどうであれ、大切なのは、思う心なんだね。
いろんな気付きを与えてくれたみんなのこと、これからもずっと。
ずっと、ずっと、大切にするよ。

いつまでも、私のそばにいてね。

NO.1

今日、本屋へ寄ったら
木村拓也さんのエッセイ本が置いてあって
何気なく手にとってぱらぱら見ていたら
こんな文字が目に飛び込んできた。

『無理でもさぁ。
苦しくてもさぁ。
やっぱりうれしいんだよね。1等賞って。
でしょ?
そこに1等賞ってものがあるなら
やっぱり狙いたい。
どんな分野でも、もめごとは嫌いだけど
争いごとは好きだから。』

わぁーい!
そう!そうなんだ。
なんか、胸の奥がすぅーっとした。
私もこういうこと、言いたかった。
トップを走り続ける人と同じ意見でよかった。

けっこう分厚い本なのに
たまたま開いたページにそんな言葉がのっていて
ここ数日悩んでいた自分に
神様が「あなたはそれでいいんだよ。そのまま進みなさい」
って答えをくれたような気がした。

うん!NO.1目指すよ、このまま。
このエッセイを、あの人も読んでくれますように。
そして、一番がいいと言った私の心を
どうかわかってくれますように…。

女優 小島聖

久しぶり…たぶん1年ぶりくらいで
聖に会った。
メールや電話はしてたけど。

私が泣いたり落ち込んでたりしてる間にも
彼女は彼女の道をぐんぐん進んでいた。
すごくすてきになっていてびっくり。

…がっくり。

そう。いつでも。
私は聖に会うとがっくりくる。

この、がっくり、が大切。

あわてて私もまた、急いで進む。
聖のことが大好きで、ずっと一緒にいたいと思うから
すてきな自分になるために
努力をする。

彼女は私のバロメーター。
自分がすてきでいるかどうかを知るための。
たいせつなたいせつな。
女神のようなひと。

若さんへの長いメール

『若さん。
ちっともあなたの言うことをきかない私を
許してくださってありがとう。

若さんのことをうっとうしいなんて思ってないですよ。
本当にうっとうしかったら、無視しますよ。
とことんね。
終わりにするのは、簡単です。
いつでも、一瞬です。
でも、私は、時間をかけて丁寧にあなたと向き合った。
どうしてだと思います?
若さんが私に対して発信してきた心の一番中心にあるもの、
それは何かを知っていたからです。
それは、愛、です。
若さん、
という素晴らしい人柄の真ん中にある、
愛情から発信されてきたものだったから。

ただ、私の方に、まだそれを受け取る用意がないことを
どうしても理解して欲しかった、それだけです。
今回、私を心配してくださったのは、大変うれしかった。
でも、今、それを必要とする時期ではなかったんです。
私にとって。

この世は、すべて、バランスとタイミングです。
それが、鍵となります。
少し狂うだけでも、成功しません。
ぴたりと符号した時のみ、奇跡が起ります。
たぶん、それを決めるのは、私達が神様と普段呼んでいる
大いなるものの存在の力であって、
けして私達人間の個人的な力ではないと思う。
だから、どんなに力んでも、ダメな時はダメという結果がでます。
力んでいるのは、心が割れている証拠なので、
そんな状態で誰かに接してもうまくはいかないし、
それどころか、痛い結果となって全部自分に跳ね返ってくる。
だけど、そうなった時は学びのチャンスです。
そこで学びきれば、また、次へ進める。

だから、結局私達は、
自分のことだけをしっかりやるしかないんだと思う。
自分のことをしっかりやっている人というのは、
それだけで、人の助けになる。
しっかりやっている様が、まわりにいる人達にも見えるので。
お手本にしたい人達は勝手に盗んでいくだろう。
そこに、「ほら、私を手本にしてあなたもしっかりやりなさい」
という言葉などは、必要ないんだと思う。
学ぶ用意のある者だけが学び、
学べない者は、そのまま終わる。
人生は、厳しい。
本当に、心から、そう思う。

時に、愛情深い人は、つい手を差しのべる。
なんでも、かんでも。
でも、実は、本当に深いところまでは、
あと、もう一歩、ある。
その場所からは。

深さの中心に到達できれば、神と一体になれるんだろう。
いつでも。

手を差しのべず、じっと見ているだけ。
それができるのは、本当の愛を持っている者だけでしょう。
(だって、神様はそうしてらっしゃるじゃないですか)
じっと待つ、ということ。
時として、それは、行動するより、勇気がいること、だと思います。

かっちゃんは、退院してからが長かったんです。
辛い後遺症に悩まされて、苦しそうだった。
なかなか東京に帰って来れないの、かわいそうで。
あせって、イライラしたりした。
でも、途中から気付いたんです。
私が早くかっちゃんを治したくったって、そうはいかない。
自分の力でなんとかしようとしているうちはダメだなって。
心配してる、とかいいながら、実はそれ(私の思い)こそ彼にとっては
邪魔で回復を遅らせてる邪念となってるかも、と思いました。
彼は、彼の場所で戦ってる。
私も私の場所で、今自分にできることだけやろうと決めました。
心の向きを、直接かっちゃんに向けるのをやめて。
人を助けるとか、そういう意識はやめて。
今起ってることは、自分のことと思うようにして。
どうしたら、ここから移動できるか。
「かっちゃんが、いなくて悲しい」
から
「かっちゃんが帰って来てうれしい」
まで。
なるべく最短距離で「自分が」移動するにはどうすればいいか。
そこに意識をフォーカスしました。

そして、熊野で。
自分の心を原点に戻し、
玉置山のてっぺんにある玉置神社で祈りました。
かっちゃんの回復を。
早く会えることを。
その願いを叶えるためになにか試練が必要なら
今すぐそれを私に与えてください、と。

その夜、転んだんです。
満月を見ようと、慣れない真っ暗な山道を歩いていて。
胸に激痛が走った時、すぐにそれだとわかって、うれしかった。
これを越えたら、回復する、また会えるって。
神様としっかり約束できたと思ったから。そう直感したから。
あの時、確かに、宇宙の遥か彼方で、
カチっと、一度針が動いたのを、感じたんです。
変化の瞬間を。
実感したんです。

私は、毎日痛みを感じながら、それを自分の力で越えることに
集中しました。
(一度、医者に診てもらったら、左の肋骨にひびがはいってると言われました)

帰京して5日ほど経った時。メールがきたんです。
頭痛が引き始めたって。
それからは早かった。
どんどん回復していよいよ帰ってくるんです。かっちゃん。

すべては、バランスとタイミングです。
人を変えたかったら。
まわりを変えたかったら。
まずは自分が変わること。
一番の近道。宇宙の法則です。 たぶん、そういうふうにできている。

そう思います。』

寿子へのメール

『かっちゃん。
週末といってましたが。
それって今日なんじゃ…。
と思って待ったけど連絡なかった。
帰って来たら、普通連絡あるよね?
明日かな。
どきどきする。
怖くてメールできない。(笑)
この気持ち、なんかにそっくり、と思ったら
今気付いた。

合格発表。
あの時の気持ちにそっくりだ。
なんでまた、そんな気持ちに…。
なんの合格だ?
なんの発表だよ?

知らない間に、なんか試験受けてたのかな?
(笑)
神様から問題出されて。

うまくクリアできたのか?
それは。

よくわかんないけど。だとしたら。

合格したい。

おやすみ、寿子。

追伸
6歳のさとしくんの話。
よかったな。よくわかるよ。
だって。
私は人と接する時。必ずそうする。
さとしくんのように。
大人になると愛情が複雑になっていくけど
私の愛はひとつ。
そこで、大切な人には接する。
でも通じない人も多いよ。
私から発信する愛を単なる恋愛感情と一緒に
考えるんだ。
人としてもっと中心にあるものなのに。
そんな目で私の言動を計ったら
かっちゃんのことも恋愛してるみたいなことに
なっちゃう(笑)
かっちゃんにはその部分のことは説明してある。
私の愛は、複雑じゃないから
時として友達に恋人のように接したりするから
誤解されることもあるけど、
かっちゃんに対してそういうことがあっても
驚かないでねって。
かっちゃん。わかってくれてると思う。

まっすぐに、まっすぐに。
向き合って。
中心を重ね合わせて。
愛し合うのが好きなんだ。
大切に思う人とは。
そうして付き合いたいんだよ。

だけどそんなふうにできる人は少ない。
でも、それでいい。』

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