2008.4.6 新月 魔法円
少しの間考えたけど。
起こったことを第三者に「説明」するのはやっぱり不可能だと思った。
だから、起こったこと、事実をただ、そのまま書く以外、方法はない。
新月の晩にやろうと決めていたことがすべて終わり、
祭壇はそのまま、円の中で、眠っていた。
夜中にぱっと目が覚めて、
トイレに行く時、
円を閉じた。
戻ってそのまま寝袋に入ったら、
遥か遠くの方から、
コー… という音。
それが、
ゴー…
に変わり、
グォー、に変わり、
風かな?と思ったとたん、
ものすごい大きな音とともに勢いよく窓が開いた。
外側に向かって開く観音開きの窓が。
内側に風が起こったから、 …だと思いたいけれど。
この小屋の窓は全部、相当な力を加えないと開かない。
木が湿気を吸い取って膨張したせいか、
もともとの建て付けが悪いのか、
とにかく「えいっ」と力を入れて開閉する必要がある。
部屋の中にいきなりそれほど強い力の暴風が吹くだろうか?
まあ、
理屈はいい。どうでも。
それより、
ちょっと想像力を働かせてみてもらえませんか?
夜中、真っ暗、ひとり、山のなか、です。
ぽつんと寝てたら、いきなり
部屋の窓が勢いよくバンっと開く訳ですよ…
すごいものを見た、と思ったね、あたしは。
閉めようと思ったら、
細胞に直接働きかけてくる形で、体中にNGサインが走った。
仕方ないので、そのまま開け放たれた窓を眺めながら、
寝袋の中でじっとしていた。
月のない夜だから、星がよく見える。 きれい。
時折、強い風が吹く。
山中の樹がざわわわと大きな音をたてる。
しなる枝がダンスしているみたい。
新月の晩、精霊たちのダンス、か。
風の流れによって、
キーッと時々閉まりかける…
また、開く…
窓の扉もゆらゆら踊ってるみたい。
不思議と恐怖感はなかった。
とても緊張していたけれど、
ただ意味なく怖いというより、もっと…
なんていうか、
世界に対する畏敬の念みたいなものを、ただ感じていた。
明け方、空が白々してきた頃、
窓の桟のところにぼうっと何か輪郭が立ち上がってきたのが見えた。
ハーブの虫除けスプレーだった。
液体がボトル半分くらい残った、プラスチック製の。
軽いものだから、外に転げ落ちたと思っていたのに。
それを見た瞬間、
わかった。
窓は、
内側からの力で開いたんじゃない。
たぶん、
外側から、
ダレカが開けたんだ。
大きなチカラを使って。
恐る恐る中腰のまま、
手だけのばして、
さっとボトルを手に取った。
じっと見る。
突然「閉めていい」サインをキャッチしたので、
静かに起き上がって窓を閉めた。
部屋の中に静寂が戻る。
もう外の音は聴こえない。
閉める、ということの大切さ。
そして、
開ける、ということの大切さ。
慣れない場所や危険を感じる場所では、
自分の境界線を守ることが重要だ。
けれど、
交わらなければ、
融合しなければ、
けして理解できないこともある。
新月の晩、
言葉にはならないほどの大きなギフトを受け取った。
私の意識はさらに拡大した。
あれは…
山の神様がやってきたのかな?
もし、
あの時すぐ窓を閉めていたら、
パワーゲームが始まったのだろう。
次は屋根でも飛ばされていたかも。(笑)
だから「閉めちゃいけない」とマチルダが教えてくれたんだと思う。
山の精霊たちとゲームを楽しむほど、私のチカラは強くない。
静かにしているのが一番だ。
朝になってみんな遠くへ帰っていったのだろう。
一晩中、RとMに一緒にいてもらった。
怖さがなかったのはそのおかげかも。
恐怖に目が曇っていたら、
きっと大切なことが見えなかったはず。
生きた授業とはこのことか。
新しいことが、ほらやっぱり、
始まった。
新月。
世界は面白い。
こここそが、お伽の国だと思う。
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