40度の壁

皆さん、40度以上の発熱って、経験したことありますか?
私は、たぶん….
ちょっと死んだと思います。
今年に入ってから、瞑想の中で、いつも決まっていく場所がありました。
それは、川。
私は川の前に立っていて、
向こう岸に越えようかどうしようか、迷っているヴィジョン。
結局私はいつも川沿いに歩いてみようと思い、川へは入らないのですが。
あれって、偶然だったろうか….
何気ない日常の中にこそ、サインは潜む….
入院して最初の二日間は、
ほんとうにほんとうに苦しかった。
私は、痛みそのものより、発熱する時に全身に走る悪寒が一番辛かった。
悪寒の震えに耐えるために相当力んでいたみたいで、
後日首筋から肩にかけてひどい筋肉痛になったほど。
熱が高い間は、冷たい飲み物を飲みたくなるけれど、
部屋には冷蔵庫も完備されていて、
洗面台もついているので、
口をゆすいだり顔を洗ったりするのにも、本当に便利なシステムだった。
この病院の「在り方」には、とても救われた。
全室個室ということで、
部屋の中には生活に必要な機能がすべて組み込まれているので、
患者は一切部屋の外に出ることなく、入院生活を送ることができる。
苦しいながらも、同時に深い安らぎを感じていたことは確か。
新しい体験をしたと思う。
私は、数時間おきに解熱剤を服用。
薬の力はだいたい5時間ほどで切れてしまう。
切れてくるとたちまち悪寒が走り熱が一気に上がる。
炎症が落ち着いてくるまでは、苦しい時間が続いた。
点滴は、抗生剤を一日に三回投与。
二日目、オエオエ泣いて写真を撮ったことは、先のエッセイに書いた通り。
じっと点滴が落ちていくのを眺めながら、私はある感覚を自分の身体に覚えていた。
どうも薬のチカラが最大限に発揮されていないような気がする。
もちろん時間がある程度経てば治るだろうと想像できても、
もっと早く効果が表れる方法があるはず。
私が薬に助けてもうらうんじゃなく、
薬のチカラを私自身が助けるというか、私が引き出すというか。
そこでハッと思い当たったことは、….食事。
私は入院する数日前から食欲がガタっと落ちて、
たぶんそこで免疫力が一気に落ちて、発症してしまったと思うんだけど、
入院してからは何も食べられない状態が続いていた。
このまま点滴を続けていても、治りを早めることはできない。
食べなくちゃ。
何か口から入れなくちゃ。
そう思った。
でも食欲はないのです。
運ばれてくる食事を見ても食べたい気持ちが起こらない。
頑張って一口入れても、ウッとなってしまってそれ以上食べれない。
うーん、と思いを巡らせて。 自分の身体に尋ねてみて。 何だったらいい?と。
そこで浮かんだのはフルーツジュース!
すぐに師匠にメール。
夕方、バーミックスと果物をたくさん持ってきてくれた。
病室で作ってもらった生ジュースの美味しかったこと!
あの、最初の一口が体内に入ってきた時の感覚は忘れられない。
身体に「やる気」が戻ってきた瞬間です。
その夜からメキメキ回復し始め、
三日目からは痛みも引き、
一日に何回も服用していた解熱剤も一回に減り、
とうとうそれも要らなくなり、
熱も下がり….
と、あの一杯のジュースから、私は大きなチカラをもらったのです。
解熱剤も抗生剤も私の助けとなってはくれたけれど、
やっぱり、自己治癒力が一番のチカラだなと思った。
そして、これは、
昨日今日の一瞬でできることじゃない。
日頃の心がけが大切なんだと実感。
もし私が、
普段からすぐに痛み止め(抗生剤)に頼るような生活をしていたら、
いい加減な食生活ばかりしていたら、
きっとこんなに早く回復はできなかったと思う。
ドクターやナースも驚いていた。
三日目から、がくんと熱も下がり、痛みもなくなり、
一気に元気になったように見えたから。
(普通はもう少し穏やかに回復するそう)
これまで、
全くといっていいほど薬を服用しない生活は正しかったと思う。
身体が抗生剤に犯されていない分、
いざという時、薬の効き目が早いのだということを証明できた。
最初私は、自分が「病気になった」ことを悔やんだ。
いろいろ気をつけてるのに、こんなのって….
エッセイでいろいろ書いても説得力ないじゃないか、と。
でも、違った。
病気は、なる時にはなるようにできている、たぶん。
様々なメッセージを伝えるために。
私は、
「病気にならないように」というためだけに
免疫力を上げることを試みようとしていたけれど、
「病気になってしまった」あとでも、このことは重要なんだということに気づいた。
むしろ、
病気になるかならないかは二の次の問題で、
万が一なってしまったその時にも決して慌てないように、
普段から免疫力を上げる方法を知っておくことが大切なんだということを知ることができた。
「病気にならないように」って、「絶対人生失敗しないように」って言ってるようなもんだ。
そんなわけにはいかないな。(病気に関する私の考えは180度変わった)
失敗は、いっぱいある。
肝心なのは、失敗をどう成功のもとにするかってことだ。
また、
今回のことで現代医療と代替医療のバランスについても学んだ。
私は、すっかりこの症状を自分で100%治す気でいた。
だから仕事のオファーが入らなかったら、まだ病院に行かないでいたかも。
それって、
なんか変な宗教みたくなっちゃうところだったな。(笑)
病院に行くか行かないか、
決定的な見極めは、天使に祈っても症状が改善されないってところだった。
「おかしい」と思った。
祈って改善されないことなど、一度もなかったから。
だからすぐに「これは祈り方、あるいは祈ってる方向が違うな」と思った。
こんな寓話がある。
ある信仰深い男が、小さな船で航海中、嵐に合った。
「神様、どうか私を助けてください」と祈った。
すると、一艘の船がやってきて「若者よ、この船に乗りなさい」と言われた。
男は深く感謝しつつも、
「いえ、大丈夫です。まもなく神が助けにきます」と丁寧に断った。
男はさらに強く祈った。
「神様!どうかお助けください」
すると、先ほどより大きな船がやってきて、
「若者よ、お乗りなさい」と告げた。
男は感謝しつつ断った。「神様が助けにくるので大丈夫です」
男はあらぬ限りのチカラを振り絞り叫んだ。
「神よ!お助けを!」
すると、さらに大きな船がやってきた。
「若者よ!お乗りなさい!」
「いいえ、神様が助けにきますから!大丈夫です!」
次の瞬間、大波がやってきて、男の乗った小さな船は海の底深く沈んでしまった。
さて、
ここは天国。
男は神様に詰め寄っている。
「神よ!なぜ私を助けてくれなかったのか!何度も心をこめて祈ったのに!」
すると神はこう答えた。
「私はおまえのもとに何度も助けをやったではないか」
さあ、
病院のベッドに横たわり、私は新しい世界の見方を発見しました…..
信仰心を持つということと、世界に対して盲目的になることは全く別のことです。
どんな形で助けの手がやってくるのか、それを見極めることが大切なのです。
ここまでに考えが至った時点で、私は初めて自分の病気に深く感謝することができた。
今、このタイミングで知ることができてよかったと思えることが、たくさんある。
辛くてこぼしていた涙が、今度は感激の涙に変わった。
三日目も私はひとり病室でたくさん泣いた。
家族や友人の顔が浮かんでは消えて…
みんなに会いたかった。
と思ったら、カヴンのメンバーから能天気なメール。
次の集会の日程についての、楽しく明るいメール。
「ふふふ、びっくりするだろうな~」と思い、「入院しています」と返信。
やっぱり、
「えええええええええええーっ?」というメールが届いた。(笑)
そしてその夜から、メンバー全員で「苺さんのために祈ります」ということになったらしい。
みんな楽しそうだなー
人の役に立とうと頑張ってる姿が眩しい。
美しいなと思う。
その後メンバー代表が、みんなからのメッセージをまとめて送ってくれて。
それを読んで目が腫れるほど泣いた。
感動して。
ああ…仲間はいいなあ。
実はここ数日密かに「夏野苺の気配が消えた」と感じていたらしい。
なぜか理由はわからないけれど、皆なんかおかしいなと感じていたそう。
1943-1.jpg
あの「8週間プログラム」を
アップしたまま放ったらかしにしてしまっている一般読者へも思いを馳せる。
みんなもそろそろ「おかしい」と思う頃だろうか。
みなさん、ほんとうにごめんなさい。
夜、
息を飲むほど美しい月。
窓を眺める。
いつまでも。
いつまでも。
世界に感謝する。
1943-2.jpg
                            (続く)

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