赤い薔薇
咲きました、薔薇。
やっぱり赤でした。
苗を買ってから初めて咲いてくれました。
去年は無口なままだった。
今、っていうのが、嬉しい。咲いたのが。
夜中にSOSのメールがきたので、
朝まで待って、日比谷公園で待ち合わせ。
小雨の中、ベンチに座って、世界の秘密について話す。
ここから今私が見える限りの暗号について、解読する方法を伝える。
ちゃんと伝わっただろうか。
私は「教える」才能がないので、どきどきする。
もしちゃんと伝わったのなら、あの人のこれからが変わっていくはずだから、
それが答えだから、
見えてくるまで私は自分の場所で静かに待とう。
話している途中、ふとピンク色の石が浮かんだので、
ああ、この近くにこの人を待っている石があるなあ、と直感。
すぐに思い当たる石屋さんがあったので、
そこへ連れて行く。
店内に入って、10秒でみつかる。
安くない値段だったので、
これ、どうかな?この人買うかな?買わないかな?
買わなきゃあの道を通るだろうし、
買うならこの道を通るだろう!と息つめてみつめていたら、
買った。
心の中で「やったあ!」と叫ぶ。
表面的には、
思い描いていた通りの結果にはならないかもしれないけれど、
深い場所では必ず願いが叶うだろう。
あの石が助けてくれるはず。
急いで帰宅。
妹の家に行く。
私は、
妹が亡くなった直後より、今の方が、なんだかこたえる。
写真集の制作も終わり、ちょっと燃え尽き症候群のような。
暇になるとろくでもないなと思う。
(おのせちゃんから「今から入稿します」という短いメールが届いた時、
死刑宣告を受けたような感じだったもの。とうとうおしまいって感じ)
これまで毎日ずっと泣き暮らしてきたってわけではないけれど。
そのせいで、
もしかして私は大切なものをどっかに落としてきちゃったんじゃないかなんて
不安に思うこともあったけど。
よかった。
悲しむ心はちゃんとあったんだ。
ちっちゃな箱に仕舞っていただけで。
悲しみを少しずつ感じてる。少しずつ、強くなって。じわじわと。
写真をみつけた。
永島くんの写真。
イベントの時などに妹が撮ったもの。
たくさんあった。
その中で、ざくっと胸を抉られるような衝撃的な写真をみつけた。
同じだ………
すぐに私は自分が撮った写真を思い出す。
少しの狂いもなく、同じ(心の)場所でシャッターを切っている。
彼女は、もうとっくに永島くんの真ん中をみつけていたんだろう。
一枚、
ああこれはかなわないなあと思うカットがあった。
これは、かなわない。
こんなに好きだったなんて。
永島くんに寄せる妹の強烈な想い。
この想いには及ばないなあと思わせる写真。
あの強さが今のいろいろを引き寄せているんだなあと思った。
これは、私には撮れなかった…….
妹が集めた永島くんのCDもたくさんあった。
ずぅっと昔から好きだったんだなあ。
ずっとずっと追いかけて、
長い時間、永島くんをみつめ続けてきたんだなあ。
時間の重さにはかなわないなあ。
すごいなあ。すごいことだなあ。
そう思ったら、もう泣けて泣けてしょうがなかった。感激して。
「妹の遺志を受け継ぎたい」なんていったけど、
これは大変なことだよと改めて思う。
ものすごく会いたくなった、妹に。 今すぐ会いたい。
おいおいわんわん泣く私を見て、りっくんれったんはどう思ったかな?
たぶん「またいちごちゃんがこわれちゃった」くらいのもんだろうな。
私は、壊れる時はものすごくはっきり壊れるので、
初めて見る人は驚くかもしれないけれど、
慣れてる人にとっては「まただ」という感じだろう。
子供達からすれば「変な人」「変な伯母ちゃん」で通ってるはずだし。
りっくんとは、ちょっとだけ世界の秘密について話す。
いつも一発で通じるのがすごい。
感心する。
私は大人と呼ばれる年までいろいろと気づかなかったので。
泣いたあとって、顔、腫れるよなあ。
今朝は、また格別にすごかった。
鏡を見て、一瞬ぎょっとしたけど、その後しばらく笑った。
泣き腫らした自分の顔見て笑えるなんて、
私は幸せ者だと思う。
いろいろあってもやっぱり平和だ。
だけどこんな顔じゃ出かけられない。
なんとかしなくっちゃ。
可愛くしなくっちゃ!
だって、赤い薔薇が咲いたんだから!
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