落ち着かない日々
夢をみた。
撮影に失敗する夢。
ファインダーの中の露出計を確認するのを忘れて、
たくさん撮ったのにみんな真っ白にとんじゃって、
後からプレビュー確認したら、なにも写ってない。
…というたいへん恐ろしい夢。
カメラマンにとって最も恐ろしいことは「写ってない」ということ。
私は、
慣れない撮影や大きな仕事の前には、必ず撮影に失敗する夢をみる。
ハッと目が覚めて。
気が引き締まる思いだ。
今私の部屋の中は、大地震の後みたいになってる。
あれこれ荷物がたくさん散らばって…。
まだスーツケースに仕舞うには早過ぎるし、
でも、
忘れ物をしちゃいけないと思って、
目につく場所に持っていきたいものを並べてるから、
部屋がすごいことになっている。
この前買った服を鏡の前で着てみたけれど。
いくつか買ったうちのひとつが、
びっくりするくらい似合わなかった。
なんでこれ買ったんだろう? どこが良くて?
さっぱり思い出せない。
これは持っていくのをやめよう。
撮影前って落ち着かない。
どきどきする。
恋をしてる時の感じに似てるな。
そうそう。
似てるっていうか、
同じだろう。
私は被写体に恋をする。
相手が人でも物でも景色でも、関係ない。
私は被写体に恋をする。
南の島へ恋を捕まえに行く。
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