北の旅2006　２

さて。
神の子池の話。
今回、北海道は雪なかったの。ぜんぜん。
でも遠くの山のてっぺんは白くなってた。
だから峠はどうだろうと心配してたんだ。
そしたら。
やっぱり。
ものすごっ　怖い思いしましたー
だって、なんで、
ハンドルきってないのに、斜めに車が進むのよ？
おかしーでしょー
怖いじゃないのよぉー！
峠道はくねくねカーブしてるし。
所々ガードレールもないし。
ううう…（泣）
除雪はしてあるけど、アイスバーン状態になっていて
路面がつるつるしているのでした….
ハザードつけて、もう時速２０キロくらいで走ったね。（笑）
ふつーになんか走れねーよ。
私が見たものは…
トンネルを抜けるとそこは雪国だった
…を、地でいく光景でした…
ひとつシェルターを抜けてから、急に雪景色になってびっくり。
おまけに霧まで出てきて、「おまえふざけんじゃねーぞ」という感じ…
山は怖い。
いろんなことが急に変わるから。


でも。
雪の神の子池を見れたことは、ものすごい幸せなこと。
夏しか見たことなかったから。
幻想的で美しかった。
もうここにやって来たのは４度目。
ちょっとだけ「友達」になれたような気分。
大好きな、友達。
景色を、
友達だとか好きだとか思うなんて。
そんなの、ここだけだ。
不思議な場所だ－…


泉の底は、今日も呼吸してた。
ふわぁ、ふわぁ、と砂を巻き上げる、あの感じ。
いつ見ても感動する。
生きている。
蒼い、蒼い、水の底。
今回は初めて、ちょっと飲んでみた。
……….あ、　あまいっ……
水のほとりで、おまじないを。


またここに来れたことを、深く深く感謝する。
泉の神様に「呼んでくださってありがとう」と言った。
心をこめて。


その後、川湯温泉駅に行き、足湯につかる。
気持ちよすぎ。
それから
駅舎を改造してカフェをやってるマスターに挨拶。
もう私は「お馴染みさん」気分。
カウンターで、ここの名物激ウマのプリンを食べながら
アイヌの話になった。
マスターに
阿寒湖のほとりにある、アイヌコタンに行けと言われる…
と、そこへマスターの友達が。
ひとしきり喋ったあと、
その人は帰って行った…　帰ったあとでマスターが、
「今の人はアイヌの神様を降ろせる人なんだよ」と言ったので
びっくりする。
「それって？シャーマン？」
と尋ねたら
「そう！そうそう」
とマスター。
ちょっと….　それ帰ってから言わないでよ…（笑）
それなら聞きたいことがたくさんあったのに。
翌日、たかちゃんの２０年来の友人、たけしが合流。
中標津空港まで迎えに行く。
彼はもう３８才なのに、飛行機に乗ったのは初めて。
北海道も初めて。
それって運命変わるよ、と思った。
ふふふふ（笑）
彼を連れて、ふたたび神の子池へ。
峠でまた緊張したら「イッチ－、びびってんじゃねーぞ」と言われる。
…うるさいんだよ。（笑）
（彼は私を「イッチ－」と呼ぶ）
その夜は、標津の漁師、かっちょいー海の男、
通称「アニキ」に会う。
みんなでアニキにごちそうになってしまった……
なんでたかちゃんとたけしがアニキにごちそうになってるのか、
その筋合いが、深く考えるとまったくわからなかったが（笑）
まあ、旅とはそういうもの。
助けてくれる人に、上手に甘えるのも旅のうち。
しかし、
比べちゃいけないが、
アニキと一緒にいるところを見てると、
まるで、たかぼうもたけしも幼稚園児のように見える….（爆）
かっこいいオヤジは、
まじ、かっこいいなあと、密かに惚れ惚れする……
人間は、瞬間的にパッといきなりかっこよくなれるわけでもない。
それまでどうやって生きてきたかの積み重ねがモノを言うと思う。
アホのように（笑）ばかすかと
遠慮なく肉を食っているふたりを見て
「おまえらがんばれよ」と心のなかで思う。
そしたら、
「あなたもね」
という声が、どこからか聴こえてきた….
ぷぷぷぷー（笑）
はい、そーでした。
あたしも、でしたー
いよいよ翌日は、
アイヌコタンへ向かうことに。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）