ドイツの列車ひとり旅 その5
ヴェルニゲローデに二泊。
さて、また移動です。
今度はちょっと緊張。列車の乗り換えがあります。
出発前にあのスープ屋さんでランチ。
少し迷いましたが同じものをオーダーしました。
はー。
ホントしあわせ。美味しかった。絶対また行く!
それから大荷物背負って駅へ。
少し手前に気になる教会。
まだこの街では教会に一度も行ってませんでした。
最後に私を呼んでくれたところ。
(ここたぶん最初の日に雷落ちたと思ったとこですねー)
扉が開いています。
大聖堂に入ってゆくと、だあれもいません。
でもよく見るとひとりだけ、教会の人でしょうか?向こうの壁際に座っています。
旅の半分が過ぎました。
ここまで無事に来れたことへのお礼と、
これからの無事のお願いと。
大聖堂の真ん中で静かにお祈りました。
人が座っている場所に近づくと、
教会のシスターたちが作った焼き物が展示販売されています。
私は青い焼き物のハートが可愛くて欲しいと思ったのですが、小銭がありません。
5ユーロ札を出すと、どうやらおつりが無い模様。
諦めようとしたのですが、「いいえ、持っておゆきなさい」と言って(だと思う)
私の手に乗せてくれました。
何かお礼をしたかったのですが、何も持っていません。
どうしようと一瞬困りましたが、私の名刺を差し上げることにしました。
私の名刺はおのせちゃんがデザインしてくれたとても美しい名刺で、
誰に渡してもとても評判が良く喜ばれるのです。
ちょっとしたおまじないがかかっているので護符にもなります。
教会の人もとっても喜んでくれました。
よかった……
せめてハートの交換はできたように感じます。
さあ!
次はクヴェトリンブルグというさらに小さな街を目指します!
この日、ちょっと寿命が縮むような出来事がありました。
乗り換え駅で少ししか時間がないと焦りそうでいやだったので、
一時間もトランスファータイムを取っていた私。
でもいざ駅に着くと、乗る予定の3aホームにもう列車がいます。
一本前のこれに乗っちゃおうと思い、パッと飛び乗ったのですが、
askと虹色の声。
すぐそばにいる女性に「これはクヴェトリンブルグに行きますか?」と尋ねたら
すごくびっくり顔で「NO~!」と言われました。
えー?のおー?
今度は私がびっくり。急いで飛び降り、
列車の窓から顔を出していた駅員さんに同じ質問をした、その瞬間、
ドアがぷしゅーっと閉まりました。
駅員さんの「Nooooooo……」という声とともに列車は走り去り….. そのあとに、
向こうのホームに停車している列車のボディに「ターレ行き」と書いてあるのが見えました。
あれだ!と思って階段を駆け下り、アンダーパスを走って反対側のホームへ。
やはり列車の窓から顔を出している駅員さんに大声で同じ質問をしたところ、
向こうも大きな声で「YES!」と腕を降りながら、早く乗れと合図しています。
わー!と飛び乗ったら、ドアがぷしゅーっと閉まり….. 発車したのです。
めーちゃこわかったです。なんだか興奮して、膝ががくがくしてたと思います。
でも座ってからしばらくして落ち着いてくると一本早い電車に乗れたことが嬉しくなりました。
できたー!って。
これでクヴェトリンブルグに到着するのが一時間早くなったのです。
まるで綱渡りの曲芸みたいなトランスファーになっちゃいましたけど。
たぶんちょっと命縮んだけど。 ぷ。^^
(ドイツの駅は発車時刻によって同じホームでも行き先が変わるのです。
日本の駅だと発車する方向は変わらないけれど、ドイツの田舎の駅では
同じホームでさっきは下り方向だったけど次の列車は上り方向になるとか、
普通にあります。
慣れるまでトランスファー難しいです。結局はホームの電光掲示板や、
列車のボディに記されている行き先を確認すればいいことなのですが。
急いでいる時など文字が読みにくいのでした。長い駅名とかあって親しみにくい)
そんな思いをして到着したクヴェトリンブルグ駅。
大きいのですが。
ほとんど無人駅に見えます。
人、あまりいません。
けれどホテルは駅のすぐ隣なので、今度はかんたーん。すぐ発見。
ここでまた二泊する予定です。
ところが!
チェックインしようとしたらトラブル発生。
バウチャーがないと言っている模様。
そう言われても。旅行代理店からもらっていません。
あとでわかりましたが旅行代理店のミスでした。
でも田舎ののどかなホテル。「ま、いいわ。ではこれもらうわね」という感じで、
私の控え書をべりっと破って持ってゆきました。
私もまあもうそれで泊まれるならいいわと思い、あまり気にしませんでした。
荷物を置いて。さっそく散歩。
ここでは聖セヴァスチャン教会へどうしても行きたかったのです。
理由はわかりません。
ガイドブックに載ってた写真を一目見て、行きたい!とただ思ったのです。
(そういえばガイドブックはヴェルニゲローデの宿へ置いてきた。もう重たいし必要ないから)
やはり高い丘の上に建っている建物なので、
遠くからでもなんとなくそこを目指しながら歩いてゆけます。
ホテルからゆるゆる散歩しながら、30分くらいでしょうか。
到着しました。
ここは修道院なのですが。
行ってとても驚きました。
日本語のガイドがあって、それによるとこの教会の初代修道長の名前が
マチルダというそうです。
お墓も。みてきました。
マチルダのお墓参り…….
なんともいえない気分。不思議という言葉だけでは表せない、この心の波。
夕日が差し込む大聖堂に、長い間静かに座っていました。
祈ることも忘れて。
ただ。
ただ……
じっと。
私は自分の身に起こる不思議な出来事をあまり調べたりはしないのです。
でもこうして、縁は結ばれ、また、ひも解かれてゆく時間がやってくる。
メッセージが、
声にならない声となり、
時空を超えた遠い記憶の彼方から届けられる瞬間。
私たちは本当に永い時間の一部を今生きているのだという気になります。
とてもしんとしてしまった私。
何か温かいものを食べてホテルへ戻ろうと思い、教会を出ました。
街へ戻り、裏路地を当てもなく歩いていたら、窓に天使の置物が。
なんだろ?雑貨店かな?と思ったら小さな可愛いレストランでした!
入り口の黒板に「Die Suppe der Kartoffel」と書いてあります。
ジャガイモのスープです☆
今夜の夕食はここに決定~♪とすぐに入りました。
赤を基調とした、ホントにホントに可愛らしい、
まるでお伽の国のようなレストランです。
テーブルの上にはひまわり。
(今回ドイツではどこへ行ってもひまわりの花をよくみかけました。
時期だったのでしょうか?)
ひまわりって大きくって存在感があるから。
なんだかひとりの食事も全然寂しくありませんでした。
誰かと一緒に食べてるみたいな。そんな気分。^^
翌日は日帰りの予定で、
列車に乗ってターレというさらにさらに小さな街まで行くと決めていました。
古い魔女伝説の歴史が残る場所。
私は、ゴスラーよりも、ブロッケンよりも、最初からここが一番気になっていました。
なぜだかその理由は、やっぱりわからないのですが。
いつもそう。
私はなあんにも知らないし。わからないのです。
そこへ行ってみるまでは。
行けばわかることが多いので。行くしか無いのです。行きたいと思うなら。
クヴェトリンブルグ駅。
一見大きな立派な駅に見えるけど、イメージは…..あばら屋。
泊まったホテル。写真左奥。樹の陰に小さく見えるのが駅。
こんな街並をてくてくひとりで散歩しました。何時間も。写真を撮りながら。
クヴェトリンブルグは街全体がユネスコ世界遺産に登録されています。
戦災で受けた被害が少なく、
中世に建てられた家がまだたくさん残っているのです。
散歩の途中ほとんど誰ともすれ違いませんでした。
ゴスラーも中心地を外れた住宅街では。
ヴェルニゲローデも。
クヴェトリンブルグも。
おとぎの世界に私ひとり迷い込んでしまったような錯覚を起こすほど。
もう元の場所には帰れないんじゃないかと思うほどの。
不思議な空間。
(ちゃんとここに今も人々が住んでるはずなんですけどねー)
追記)
そういえば、旅行代理店の人。
ヴェルニゲローデからクヴェトリンブルグへはバスしかないよと言っていたのです。
けれど、おのせちゃんが日本で調べて、列車で行けるという情報をくれました。
これは大変大変助かりました。
行ってわかりましたけど。バス、私たぶん無理でした。
おのせちゃん、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
ほんとうにありがとう!
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