この目で見たもの

テストは成功。なにもかもが完璧で驚く。
もう少しどこかがどうかなるかと、
心配していたので。
でもどうだろう? きっと….
ずっと信じていたものがあるような気がする。
それは「イエス」と答えた一番最初の時から。
でなければ「イエス」とは言わなかったはず。
私は信じていたと思う。
ずっと
ずっと
できる、と。  ただ….
ただ、私は東京にいて、自分のイメージを膨らませ、
主催者やスタッフに対して「あれを用意して」とか
「これを買って」とか言っていただけであって、
それをその通り
実際に私の目の前に置いてくれたのはスタッフの力だ。
リサーチしてくれた人の力。
お金を出してくれた人の力。
その場へ買いに走ってくれた人の力。
私の力ではない。 
そのことを考えると胸がいっぱいになり、あたまが下がる思いだ。
もし。
どこか途中で誰かが「できない」とか「ノー」と言っていたなら。
この通りにはならなかっただろうから。
全てのタイミングとバランスが整った時にのみ奇蹟は起きるのだ….
私は
テストディスプレイの前の晩から、とても緊張していた。
イメージが、実際の形となって出現してきた時のことが
予想し切れなかったから。
そこまでの経験が、私にはないので。
いったいどうなるんだろう?と思っていた。
数日前から私は巨食性になり(笑)
食べる。食べる。2時間おきくらいにお腹が減るので
そのたびにパンパンになるまで食べる。
エネルギーをしっかり充満させ、いつどこからどんなことがやってきても
絶対へこまず応戦する体勢を、心も身体もつくっているんだなと感じてた。
ものすごいパワーを集めている感じ。
そして、一日のうち、約半分は、眠っている状態….
意識を保っていられない。
すぐ眠くなる。
眠りは深く、いつも鮮やかな夢をみて、
必ず「信号」を受け取っている。大切なメッセージを。
眠っている間、
絶え間なくずっと誰かと必要な交信を続けているような感覚だ。
それをすべて覚えているわけではないけれど、
眠る前には知らなかったことを、
確かに、目覚めた時には新しく知っている、というような感じがある….
それがなんであるのかは、たとえ今はわからないとしても。
和歌山駅には、さとみちんたろーが迎えに来てくれていた。
ふたりで彼女の職場に向かった。
和歌山放送局。
先日ラジオ出演でお世話になった
制作局のマネージャー、土橋氏に御挨拶。
ダンディな方でドキドキした。
それを見て笑う、ちんたろー。(笑)
ちんは4月からラジオの新番組を受け持つ。
そのプロデューサーの、海野氏にも御挨拶。
来月また、私の個展の告知のために
ラジオインタビューを受けさせていただく予定なので、楽しみー。
そのまま個展会場へ。
スタッフはもう準備にかかってくれていた。
通常スタッフの他に
今日はじめて御会いする、という方々が何名か。
ディスプレイのお手伝いとして働いてくれていた。
(心より感謝いたします)
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さて!緊張の一瞬!
大型作品も、東京からテスト作品が搬入されていた。
テスト展示してみる。
横をみたらアスパラさんが泣いていたので驚く。
「なんでないてんだよ?まだてすとだぜ?」と思ったけど。(笑)
あの一瞬はただの「夏野苺ファンに」戻ってしまったのだろうか?
というか、ずっとそうなのかも。
主催者という立場に徹してしまえばいろんなことがもっと楽だろうに。
(ものが完成するまでは、泣く暇もないはず)
ファン心理を捨て切れないで私に接しているから苦しくもなるんだろうな。
それは逆の立場だったとして、私でも辛くなる。
自分がファンで、好きな人に、ああだこうだいろいろキツいこと言われたら。
思いきり凹むだろう。
でも
一緒にものを作る仲間だという意識を持ったら、
厳しい意見もスっと受け入れられるんじゃないかな?
そんなふうに自分の意識を自由自在にコントロールできるかできないか、
これもまたひとつの「才能」なんだなあ。
これまで私は、やる気になれば誰だってできると思っていたけれど、
どうやらそうじゃないらしい。
できる人とできない人がいるんだな、ということがわかった。
今回の個展準備で。 それがよくわかった。
才能といえば、
ものすごい才能をいくつか発見した。
まず、サクラ。
舞台美術の才能があるとみた。
私はイメージを口にするまでは簡単にできるけど、
あんなふうに、あんなことは、とてもじゃないけど自分ではできない。
私の思った通りのものが
目の前で簡単に出来上がっていくので、驚いてしまった。 感動。
サクラが実際にひょいひょい作っていくのがすごい….
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それを見ていたアリスの声かけもよかった。
いつも思うが、彼女は
「◯◯でいいですか?」とか「◯◯で間違いないですね?」とか、
確認の声かけをしてくれる。
私がすこんと忘れてしまってることや、
もう一発しっかりおさえておいた方がいいものに対して
ものすごく的確に常に先回りして確認してくれるところが素晴らしい。
サクラの作業中にも、アリスのその力おかげで
「あ!そうか。だったらここはもっとこうしたい」ということが
私の中にどんどん生まれて、新しい指示として出せた。
そこでサクラが作り直し、イメージが更に確実な形となっていく…
素晴らしい連携プレーだと思う。
スーは、
私がどうしても「こうしたい」ということに対し、
それを実現させるため、ある場所から会場へ
今回、大変な荷物を運ぶことになってしまった。
申し訳ない。
この多大なる労力には心より感謝申し上げたい。
彼女の才能は「底力」だ。
沈黙のパワーを持つ。
普段は陽気で楽しい「おしゃべりさん」だが、
イザという時に沈黙する心得を持っている。
そんな時には黙々と「動く」のみ。
ただ彼女の持つパワーだけが、発光するのだ。
ちんたろーは、
トークショーの打ち合わせをもっと早い段階で
きちんと詰めておきたい思いもあるはずなのに、
私の、
展示案がきっちり決まり、制作が落ち着くまでは
それ以外のことは考えられない、
というわがままを聞き入れてくれている。
彼女はプロフェッショナル。
なにかを「信じて」いるのだ。 だから「待つ」ことができる。
そして、今回。
もうひとつの素晴らしい才能との出逢いが!
会場スタッフとして、
設備に関することや音響のことなど、
技術スタッフがついてくれることになっているんだけど、
テストで御会いした松本さんという女性が、すごい!
私は「松本マジック!」と何度も叫んでしまったけど、
本当に仕事ができる人、プロな人、ものを作るとはどういうことなのか、
ということをわかっている人は、現場で何度も魔法を使う。
彼女の魔法はとてもパワフルで鮮やかだった。
問題が起きても、
瞬時に的確な判断をし、次の瞬間にはベストな答えを出す。
正直、私は
彼女に自分の専属のアシスタントを頼みたいくらいだった。
この世で一番好きなタイプの人間だ。
個展開催中、彼女と一緒に仕事できることを、誇りに思う。
さて、そんななか…。
会場でみんなそれぞれの作業に取りかかり、忙しく動いている中、
….ひとりだけ。
全然動いていない人がいて、密かに驚く。
動いている人の中で、動いていないって。 すごい目立つ。
人数が多いから誤魔化せるとでも思っているのだろうか…..
うーん….
見ていて「腹がたつ」とか、「バカにする」とかいうわけじゃなく、
なんというか、その時の私の心の状態は、
大きく目が見開かれ
世にも珍しい天然記念物でも見るような…
純粋に驚いてしまったというか…
しかしそんなものが「見える」ということは
自分の中にもあるということだな、と反省する。
(思えば、あれは自分のバカOL時代の姿にそっくり!)
あれは… あのひとは…もうあのままずっと最後までいくつもりなのか。
普通はあの立場のあの人があんなだと
もうみんな嫌になって動かなくなってしまうものだと思うけど。
寡黙に動き続けるスタッフたちよ……
あなたたち個人個人の頭上に、栄光の光が見えるよ。
みんな自分のためにがんばろう、という感じか。……..
とにかく、私は
テストディスプレイが大成功だったので
ものすごくいい気分。
和歌山に通ってから、今日が一番いい気分かも、というくらい。
その後、気分良いまま、
ちんとサクラとスーとちょっと寄り道しつつ、
夕食は美味しい鶏料理屋さんに連れて行ってもらった。
(また御馳走になってしまった。ごめんなさい。そして、ありがとう)
ちんのもうひとつの素晴らしき才能は「うまいもの」を知っていること。
思えば、編集者でも「うまいもの」を知ってる人って、ものすごい仕事できるな、
と思い出した。(そうそう、そうだった!)
またいろんな話をした。
みんな、最初に会った時からは別人のようだな、と思った。
進化しているのがわかる。
猛スピードで人生が進んでいる。
今回の個展準備は波乱万丈だけど、
それでも心をこめて乗り越えていると、
人間て、こんなふうに美しくなっていくんだと
しみじみ思う。
「逆境を利用せよ」とはルーンの教えだけど、その通りだな。
困難を避けることばかり考えているような人や、
困難に遭遇しても
それをまるでなかったかのようにしてしまう人(不自然にポジティブな人)には
絶対わからない、見えない世界を、
今、和歌山エンジェルズのメンバーは見ているんだろうなと思った。
素敵なことだ。
主催者も大変だろうけど、
彼女もまた、彼女なりの役割を演じて我々にいろんなことを見せてくれている。
もし彼女が主催者として完璧だったら
今私達が見ているものや超えるべき困難にも遭遇できずにいたのかもしれない。
一番、深い場所。 
そこへ意識を飛ばすことさえできれば。
いつだって人生は楽しい。
感謝の心しか生まれない。 
起ることは全て宝となる。
スーが、小さな可愛い置き物をくれた。キリストカラーに輝く、天使をふたり。
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鶏料理屋さんにDMとチラシを置いてもらうことになった。
うっれしー!
けど、チラシを見て驚く。
私が渡したものをコピーしたものらしいが、いったいどんなコピー機を使ったら
こんなひどい出来になるのか?
コンビニのコピー機だってこんなことにはならないだろう。
「もぉーホントおねがいしますよー」と思ってがっくーとくる、この時ばかりは。
これが和歌山のあちこちにまかれるのかと思うと、胃が痛くなって、
今食べた鶏料理を全部吐きそうなくらいだった。
これでOK出せる感覚がわからない。
主催者にチラシの原本を渡す時、たしかに私は
「あまり出来はこだわらないし、そのへんでコピーしたものでいいから」と言った。
言ったけど!そう!言ったのは私だけど!
いくらなんでも「程度」ってもんが….
その、「程度」の範囲が、ものを作る人間とそうじゃない人間はこんなに違うのか。
それとも、個人の感覚の問題なのか。
私にはそこがまだよくわからないけれど。 
ただ、ひとつわかるのは、
この部分についてだけは、
“とてもじゃないけれど「同じ人間」とは思えない”
ということ。
まったく、「あわない」  わたしと、あのひとの感覚。
これからは「きっと大丈夫だろう」なんて、中途半端に人を信用するんじゃなく、
きっちりうるさいくらいに確認しようと思う。 私が悪かった。 甘かった。
私は写真を撮る人間なので、自分の作品があんなふうに扱われると死にたくなる。
こんな辛い思いは、二度とイヤ。
勉強になった。
(主催者は「コンビニでやってああなった」と言い張るが、
 東京のコンビニはどこでやってもああはならない。
 綺麗にコピーできる。
 っつーことは、地方のコンビニに置いてあるコピー機と
 東京のコンビニに置いてあるコピー機が違うということ?
 …..え~~~! ほんとにっ?(驚)
 あれはどう見てもコピーしたものをさらにコピーしたとしか思えないんだけど。
 じゃなければ、コピー時の設定ミスか。フルカラーで写真コピー設定にしたら、
 全国どこでやったって、ああはならないと思うんだけどなあ!)
ホテルの部屋へ戻って、こてんと眠る。
翌朝、光に起こされた。
窓から真正面に朝日。 部屋にまっすぐにのびてくる光。
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テレビをつけたら、朝の番組で「津山理美」のテロップ。
「あ!ちーん!」
と思って、ボリュームをあげる。 今度は見れた。
彼女の、仕事の「声」を聞くのは初めて。
心の耳を済ませて聴いた。
私はこの人の「ここ」が一番好きなんだな、と感じた。
魂の力を使って、仕事しているのがわかった。
見れてよかった。
朝ごはん。
またバイキング。今日は盛り付け失敗。残飯チックもいいところ。
他の人が見たら、すでに食べ残し、のように見えるくらいの酷さ。
ちんまりした心でデザートを食べる。
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さっきまで放送局にいたはずのちんが、サクラと
ホテルまで迎えに来てくれた。
ちんに「みたで~テレビ~」と言ったら
その時の笑顔がよかった、爽やかで。   可愛い人だと思う。
そのままスーとの待ち合わせ場所へ。
みんな揃って、天満宮へお参りする。
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すごーい!いい景色!
それから、スーのガイドでいろいろ観光して回った。
スーはプロのツアーガイドか?と思うくらいのテンションで案内してくれるので
(は!…これも彼女の才能だ!)
なんだかきちんとお金を支払いたい気持ちにさせられる。
すごいなあ。
あれで素人なんて。 信じられない。
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和歌山は花の季節到来で、あちこちで美しい花を見た。
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春霞みの海の景色も素晴らしかった。
紀の神のエネルギーを感じる。
そっと心のなかで「がんばります」とつぶやく。
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お別れの前に「どんどん焼き」を食べに連れて行ってもらった。
お手軽お好み焼きって感じで、たったの150円で、ドデカイ美味さ!
きゃぁ~ん。
これは個展会場の近くなので、何度か会場を抜け出し、食べたい気分!
(笑)
みんなにもぜひ食べてもらいたい味ですぅ。
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あっという間の和歌山。
最後、改札で
スーとちんが見送ってくれた。
(サクラはバイトへ行ったため、どんどん焼きでサヨナラした)
この前はサクラが泣いていたけど、今度はちんが泣いていた。
また来月会えるのに。
^^….優しい心。
いつも思う。  最後に深々とあたまを下げるスー。
辞儀の仕方が、魂のすべてを表す。
あの心の有り様は、
この先ずっと彼女自身を助けるだろう。
新大阪から東京に向かう新幹線に乗りながら、
今度この線に乗る時には、もうなにもかもが終わってるんだな
と思ったら感慨深かった。
とにかく、このまま
最後まで走ろう。
東京に着いたら、またここも、花の季節。
東京駅から日本橋へと続く、
桜のトンネルをくぐって家へ帰った。
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和歌山の個展まであと27日です。

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