「大事件が教えてくれたこと」

2014-2023

大事件が起こりました!
しかも二回続けて!
あまりにも衝撃的すぎると、
人ってかえって落ち着き払うもんですね。
まるで、
中途半端にジタバタすると余計苦しくなるよと、
私の真ん中が警笛を鳴らすのが聴こえたような。
それくらい大きな出来事。

まず、ひとつめのこと。
お盆なので、お墓参りに出かけました。
実家から電車で二時間ほどの距離。
高速道路は混むだろうから、
電車でのんんびり旅気分で行こうと、出かけました。
おやつとか持って。楽しい気分で。
高尾山のすぐ近くの大きな霊園の中にうちのお墓があるのですが、
到着して、掃除をするために、
指輪を外してバッグの脇に置いたのです。
せっせと墓石を磨き、お線香やお花を手向けて、
静かに手を合わせ、清々しい気分になって、墓地を後にしました。
夕飯は何を食べようかと、
帰りの電車の中でわくわく想像し、結局、
古奈屋さんのエビ天餅カレーうどんに決定☆

久しぶりに食べた古奈屋さんのおうどんは美味しく、
大満足でお店を出て、あ~いい日だったな~と、
帰りの電車の中でうつらうつらしながら、ふと、手を見たら。。。。

きゃ~(驚)

ないよ、ない!

指輪がないー。

その瞬間、鮮明なヴィジョンが。
。。。そうでした、あの時、外して、置いたんだった。。。。
なんで今頃思い出すのかな?
あー。
これはもう明日の早朝、
霊園が開門すると同時くらいに行って見てこないと。
ということになり。。。
せっかくよい気分のまま平和に一日が終わるのかと思っていたのに。
台無しです。

置いてきてしまった指輪は、ヴェロニカの指輪でした。
私の命のお守り。写真の神様の。アルケミストから譲り受けた、
大切な、大切な。
そんなに大切なもの、ぽんとその辺に置くな!と言われそうですが、
わざとよく見えるように置いたつもりだったのです。
ゼッタイに忘れないように。
それなのに、
ひょいとバッグだけ持ち上げてその場を後にしてしまった私。
あまりにもショックすぎて、しょんぼりすることも忘れて。
その晩は、ただひたすらぼうっとしてしまいました。

始発電車じゃ開門時刻に間に合わないかも。
となると、車。。。
時はお盆。明日は混むだろうな~。何時に家を出たらいいんだろう?
なんとしてでも開門と同時に行かなければ。。。。
誰かに先にみつかったりしたらもうダメかもしれないから。。。
ベッドに入ってからもなかなか寝付けず、
気がつけば考えてばかりの私。
この方法は良くない。とわかっていても、
いつのまにかクヨクヨが止まらぬまま夜は更けてゆきました。

さて。朝がやってきました。
そして、ふたつめ。です。
はー、とため息をつきながら起きて、出かける準備。
外はまだ暗い。午前三時。
いつものように朝の掃除をして、おまじないをして。

あれ?
そういえば、チャミはどこ?

いつも私が起きると同時に起きてきて、部屋中トコトコついてきて
一緒に行動するのにな。
苺ママに「チャミは?」と尋ねたら、
「今日は寝坊くんなんじゃない?」
と簡単な答え。そっかと、私も簡単に納得。
いつもよりまだ早い時間だしね。
だけど、
あれれ?いつまでたっても姿を現さない。
ご飯の用意を始めても、まだ。
これはどう考えてもおかしい。
なんかおかしい。
私の中でエラーサインが鳴り始めてる。
とうとう、
五時に出発する時になっても姿を見せない。
さすがに苺ママもおかしいと思ったみたいで、
家中を探し始めました。
ちゃみ~、ちゃみ~、と名前を呼びながら。
もう出かけなきゃ。なんだけど、私も気になって、
二階を探したり、押し入れやトイレのドアを開けたり。
でも何処にも居ない。
みつからない。
声もしない。
と、その時、
ベランダの窓が少し開いてるのを発見。
これは外に出たということか? じゃあ、、、

いまチャミは家の中には居ないんだ

体の真ん中が、すーっと冷たくなってゆくのを感じました。
赤ちゃんの時にうちへ来て、一度も外へは出たことのないチャミ。
たしか、夕べは時折、強い雨が降ってたはず。

今度は家の周辺を探し始めました。
でも、私は出かけなきゃ。もう計画の時間は過ぎている。
なので、
ママにあとを頼んで、ひとりで車に乗り込みました。
その時、フラッシュバックのように、あるヴィジョンが。
それで苺ママに「遠くにはいないから。迷ってるとしたら、家の近く」
と言い残して、車を発進させました。

ハンドルを握りながら、
冷たくなった私の真ん中に、怒りのパワーが。
まるで、冷えた部分を温める炎のような、そんな感覚で。
これはなんの怒り?どこへの怒り?どこからの怒りなの?
だけど、
そんなことはどうでもいいこと。
もしかしたら、怒りじゃないのかも。よく似てるけど。
違うのかも。
人が本気になる時って、みんなこんな感覚?
ひとつはっきり言えることは、
私は、あまりの辛さに、ここから脱出し、
世界を変える決意を、今、本気でしたということ。
それこそが、まほう。
魔法は本気にならないと効かないのです。
本気になりさえすれば、誰にも使える道具なのです。

ハンドルを持ち、アクセルを踏んだまま、
私は祈りました。
探しものを司る大天使チャミュエルに。
(そう!チャミの名前はここからもらったんだった!)
そして、やっと気がつきました。
私は夕べからクヨクヨしてばかり。
大切な指輪を無くした自分が可哀想で、
力なく慰めてばかりいたのでした。
できることを全てやろうと努力する前に。
誰かに、
何かに、
なんとかしてもらおうとばかりしていたのです。
だから、
苦しかった。

今からでも遅くはない!
やれることをやろう!ちゃんとやろう!すぐやろう!
謝ること。感謝すること。しっかり願うこと。

ごめんなさい。
どうか、返してください。指輪を。チャミを。
いつも日常にある大切なもの。

私は今年に入ってから、暗いトンネルの中で、
力なく、心の底ではしょんぼりしてばかりいました。
別に全てを無くしてしまったわけでもないのに。
いつの頃からか、
ずっと近くにいて、私を守り、励まし続けてくれるものへの
感謝の気持ちが足りなくなって。
いつも一緒にいてくれることの有り難さを、
忘れてしまって。
なにもかも、
まるで当たり前のように、
いつのまにか思いすぎて。

今ここに在る宝ものが見えなくなってしまっていた

一気に目が覚めました。
ごめんなさい。
ほんとうにごめんなさい。
どうか許してください。
たった今この瞬間、この場所から、
愛と感謝を捧げます。

そう心の中で唱えた瞬間、携帯のベルが。
苺ママからでした。
車を路肩に寄せて、電話を取ると、
「いたよー」
という半泣きの声。
チャミは、
家の裏庭に立てかけてある使わなくなった雨戸の陰に、
うずくまってじっとしていたそうです。
私はすぐに引き返しました。(まだ高速に乗る前だったのです!)
うれしくてうれしくて、うれしくて!
運転しながらあの時に見た、
バックミラーに反射する朝陽の光の輝きを、
私はいつまでも覚えているだろうと思います。
きれいだったあ。

家に着いて、
チャミに挨拶して、お礼を言って、(遠くに行かずにありがとう!)
一緒に指輪を探しに行くという苺ママを乗せて、ふたたびGO!
この時点で、もう出発予定時刻から30分以上遅れています。
でも、なんと、
到着したのは、開門時間ジャストの8:00!
やったよ一番乗りだ!
車を駐車場に止めて、お墓まで走りました。
ここを曲がって、あそこの一番端っこに、、、、、

見えた!きらりと何か光ってるーっ

あったー
\(^O^)/ \(^O^)/ \(^O^)/
ありましたー
昨日私が置いたそのままに。
一晩、雨に濡れたみたいだけど。
無事に私の指に戻ってきてくれました!

私はこの時、ひとつ、大きな誓いを立てました。
何を誓ったか、それは心の中に止めておきますが、
これからの未来に対しての決意を、
天に向かって表明しました。
だって、
とても大きな恩を受けたのです。
短い時間に二度も助けていただいたのです。
なんとしてでもこの命が尽きる前にご恩返しをしなくては。

いま、このエッセイを読んでいる読者の皆さんの中で、
悲しみのなかにいる人はいますか?
苦しみのなかにいる人はいますか?
嘆きのなかにいる人は?
怒りのなかにいる人は?
けれど、
感謝できることはありますか?
そばにいてくれる人はいますか?
多くを失っても、まだ
残っている宝ものを数えることはできますか?
たとえひとつでも、
今その手のなかにあるものを見ることはできますか?

無いものにではなく、在るものに目を向けてください。

苦しい時、どうしても私たちはそこを見てしまいます。
じっとみつめすぎて、
石になったように動けなくなってしまうのです。
でもそれはたぶん賢明な方法ではない。
逆です。
マイナスに当たったら、プラスを探してください。
マイナスの先にはマイナスしかありません。
いつまで見ていても、いつまで努力しても、
方向が(方法が)間違っていては、無駄なこと。
欲しい答えはみつからない。

今日のエッセイに書いたことをどう感じますか?
もし私が、クヨクヨしたままだったら?
チャミは無事に帰ってこれたでしょうか?
指輪はみつかったでしょうか?
この出来事は皆、バラバラのことで、
お互いに全く無関係だと感じますか?
それとも、
全ては繋がっていて、
解きながら学ぶための小さな暗号が散りばめられた
ひとつの大きな出来事だと思いますか?
私に結論づけることはできません。
なぜなら、
私もまだ道の途中だからです。
でも、
おそらく、
やっぱり、
全ては繋がっていると、私は感じます。

苺ママがぽつりと言いました。
「もし指輪を忘れてこなかったら、
今日はお休みだし早起きすることもなく、
みんな寝坊して、
チャミを探す時間はもっと遅くなって、
手遅れになっていたかもしれないね」

もしチャミが居なくならなかったら、
私の中で、あの怒りにも似たパワーは生まれてこなくて、
魔法も使えず、指輪はみつけられなかったかもしれない。

このふたつの事件がなかったら、
感謝の気持ちを思い出すことが
できないままだったかもしれない。

全部はわからないけれど。
宇宙の大切な仕組みの端っこを
ちょっとつかまえたような。
今はそんな気分。

★私の人生に戻ってきてくれたチャミとヴェロニカの指輪★
(スヤスヤお昼寝ちゅうのチャミくん。
 そっと腕に指輪を乗せてみた。ぷ。^^)

トンネルの出口の明かりが。
小さく見えてきました。
まだここからは遥か遠く、
あとどれくらい時間がかかるか
わからないけれど。

やっと見えてきた。

このままゆっくり進みます。

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