「見える世界と見えない世界」
私は、見える世界を撮っているようで、
実は見えない世界を撮っているんじゃないだろうかと、
いつからかそう思うようになりました。
たとえば、ある人を撮る時、
ちょっとしたこちらからの声かけで、
その人の姿形は何も変わらないはずのに、
表情とか、輝きみたいなものが違って写ることがあって、
それはなぜかしら?とずっと疑問に感じていて。。。。
きっと見えない世界の何かが関係しているからに違いないと、
ある時から思うようになったのです。
見える世界を撮ってると思ったら大間違いだわ、、、ってね。
見える世界だけ見てシャッターを切ってる写真と、
見えない世界も見ながらシャッターを切ってる写真は、
全然違うと感じます。
写真は、そこに無いものは写らない。絶対に。
どんなに「在るふう」に作り込んだとしても、
まやかしはすぐにわかります。
外見が美しい人でも、
もしその人が自分に自信のない人だったら、
美しい写真に仕上げるのはなかなか難しい。
「美しいふう」に仕上げることはできるかもしれないけれど、
それは、ほんとうじゃない。
嘘をつけば嘘が写るだけです。
写真は「真実を写す」と書くけれど、
撮影現場ではその通りのことが起きます。
無いものは写らないけれど、
在るものは写ります。
たとえ見えないものでも、
どんなに隠そうと思っても、
そこに在るならば、
すべて写り込んでしまいます。
(たとえば人の心や精神状態も)
撮影現場での数々の実体験から、
写真というものは見える世界を写しているようで、
実は見えない世界の影響がとても強いのものなのではないかと、
私は考えるようになりました。
だから、
人物撮影の現場で、私が一番大切にしていることは、
楽しい場を作るということ。
場が楽しければ必ずいい表情になるので。
ライティングも、メイクも、衣装も、どれも大事な要素だけど、
いちばん重要なのは、被写体の心の状態です。
レンズの向こう側に立つ人の心を整えていくことが、
大切な私の仕事だと思っています。
そこさえ外さなければ、
後は勝手に写るんですから。
いい写真は、
自然に生まれるものだから。
★ジョン・キムさんの初の小説、発売になりました!
「生きているうちに」
なんていいタイトルなんだろう。。。。。
タイトルだけでじ〜んとなる本って、そうそう無いと思うけど。
これから読むのがとても楽しみです★
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