「見える世界と見えない世界」

2014-2023

私は、見える世界を撮っているようで、
実は見えない世界を撮っているんじゃないだろうかと、
いつからかそう思うようになりました。

たとえば、ある人を撮る時、
ちょっとしたこちらからの声かけで、
その人の姿形は何も変わらないはずのに、
表情とか、輝きみたいなものが違って写ることがあって、
それはなぜかしら?とずっと疑問に感じていて。。。。
きっと見えない世界の何かが関係しているからに違いないと、
ある時から思うようになったのです。

見える世界を撮ってると思ったら大間違いだわ、、、ってね。

見える世界だけ見てシャッターを切ってる写真と、
見えない世界も見ながらシャッターを切ってる写真は、
全然違うと感じます。

写真は、そこに無いものは写らない。絶対に。
どんなに「在るふう」に作り込んだとしても、
まやかしはすぐにわかります。

外見が美しい人でも、
もしその人が自分に自信のない人だったら、
美しい写真に仕上げるのはなかなか難しい。
「美しいふう」に仕上げることはできるかもしれないけれど、
それは、ほんとうじゃない。

嘘をつけば嘘が写るだけです。

写真は「真実を写す」と書くけれど、
撮影現場ではその通りのことが起きます。

無いものは写らないけれど、
在るものは写ります。
たとえ見えないものでも、
どんなに隠そうと思っても、
そこに在るならば、
すべて写り込んでしまいます。
(たとえば人の心や精神状態も)

撮影現場での数々の実体験から、
写真というものは見える世界を写しているようで、
実は見えない世界の影響がとても強いのものなのではないかと、
私は考えるようになりました。

だから、
人物撮影の現場で、私が一番大切にしていることは、
楽しい場を作るということ。
場が楽しければ必ずいい表情になるので。

ライティングも、メイクも、衣装も、どれも大事な要素だけど、
いちばん重要なのは、被写体の心の状態です。

レンズの向こう側に立つ人の心を整えていくことが、
大切な私の仕事だと思っています。

そこさえ外さなければ、
後は勝手に写るんですから。

いい写真は、
自然に生まれるものだから。


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「生きているうちに」
なんていいタイトルなんだろう。。。。。
タイトルだけでじ〜んとなる本って、そうそう無いと思うけど。
これから読むのがとても楽しみです★

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