ミュージシャン
TSUNTAという人のライブへ行ってきた。
永島さんのラジオで新曲を紹介していて、
「つんたって、あのTSUNTAのことかな?」って思って。
十年以上も前に撮影したことがある。
HOBOSという映画の取材で、(TSUNTA主演)
あがた森魚、片岡礼子とのスリーショット撮影だった。
当時、片岡が「TSUNTAの歌いいよぉ」と言っていたのを覚えている。
でもあの頃の私は、プロカメラマンとしての自覚を持つのに
日々いっぱいいっぱいで、
他の人の何かを取り入れる余裕なんて全くなかった。
毎日撮影現場の中であっぷあっぷの状態だったので。
そんなわけで彼の歌は聴けずじまいでしたが…..
まあ、こんなご縁で、びっくり。
ラジオで聴いて、いてもたってもいられなくなり、
初めて彼の歌を聴きに行くことに。
いやあ….. かっこよかったです。
あの頃まだあどけない少年って感じだった彼は、
素敵なおっさん風になってました……
もう登場の仕方がかっこよすぎた。しびれました。
そうなんだよなあ。
かっこいいんだよなあ。ミュージシャン。
ピアノ弾き語りとは知らなかった。
勝手にギターだとばかり思い込んでいましたが。
心の中で何度もシャッターを切った。
撮りたい瞬間がいっぱいあった。
プロだなあと思う。
楽器を使いこなす技術が高い。
歌い方とか、声とか、
そういうのは天性がモノをいうのかもしれないけれど、
楽器を使うなら断然技術的に高い人の方が勝ると思う。
TSUNTAは、まず「うまい」と感じる。
レベル高いなあ….
あの、踊りながらピアノを弾く(想像できます?)スタイルは、
私が写真を撮る時と似てるなと思った。
動かずにはいられない。
宇宙と呼応して表現していく、自分の世界。
リズム、なんだ。
魂のリズムを刻んでいくこと。
音楽家は、生身の身体が勝負どころだから、
声とか、
生活スタイルとか、
大切にしてほしいと思う。
はちゃめちゃな人生送ってる破滅型のミュージシャンって
たまにいるけれど。
それで「成功」しているからって、
その人の表面だけなぞって真似すると大変なことになると思う。
でたらめにしていても大丈夫な人って、特別だ。(どの分野でも)
天がその人だけに与えた個性だから。
誰でも同じようにはできないだろう。
見て、
素敵だと思ったら、
限りなくそれに似せていくために、
自分で地道に努力していくしかない。
華やかな表面世界では、まるで
「これが普通なんです」という顔をしながら、
陰では人知れずの苦労を重ねていくしかない。
ほとんどの人がそうだろう。
TSUNTAのような人は稀だと思う。
それができない人は「ごっこ」で終わってしまう。
ごく一部の熱狂的なファンの人に囲まれて、勘違いしながら終わっていく。
本物って、
最初一発の音で一撃を食らわし、
なんの前評判も知識も持たずに来た人を、
あっという間に倒してしまうことができる人のことをいうんじゃないかな。
あの圧倒的なチカラ。
いつだって真理はひとつだ。
人の真ん中に届くものは、たったひとつしかないはず。
そしてやっぱり「音楽家」は、
音で勝負するべきだと思う。
もうそこしかないだろう。
どんな音を出せるかは、
その人がどんな風に生きているかに深く関係する。
こんなふうに生きている人からはこんな音が出る。
あんなふうに生きている人からはあんな音が出る。
こんなふうに生きている人から、
あんな音が出ることは、
ないのだと思う。
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