光りの家族

先日のエッセイの補足。
最後の「NOとは言わない」っていうのは、
つまりは自分としてのYESをいつも選択するという意味。
だから、他人に対して「NO」と言ったところで、
それが自分の中でYESということならおっけーだと思う。
世界に対してYESと答えるというのは、
この世の善を信じ続けるということ。
人生にやってくる様々な事柄に対して、
すべて肯定的に捉えることができる、ということ。
この前妹の家へ泊まりに行った時….
はじめて、かも、
甥っ子ふたりを叱った。
子供部屋から言い争う声が聴こえて、
しばらく放っておいたけどかちんとくることがあったので。
つかつか歩いて行って子供部屋に入った。
入ったとたん、おぉぉ…と後ずさるりっくんとれったん。
私から何かもわもわ~と怖いものでも出ていたのか?(笑)
でも私は、大人が力でねじ伏せる形で
子供を叱りつけたり怒鳴ったりすることが好きではないので、
「真剣勝負」でいくことにした。
(このやり方は、より真剣になった方が勝つ。
 大人同士でももちろん、あらゆる交渉事争い事に役立つ方法。
 この場合の「勝つ」は単なる勝ち負けのことではなく、
 自分の伝えたいことを迅速に確実に伝えるという意味)
一発で決めるべきだと思ったので、
私は愛をこめることも忘れなかった。
これ以上はないというほどの小さな声で「座りなさい」と告げた。
すぐに座ったふたりの目には、すでに大粒の涙が。
間髪入れずに、
これ以上はないというほどの優しい声で「正座で」と言った。
「テレビを消して」とも。
私が静かにふたりの前に正座した時には、
彼等はもう、ぽろぽろ涙をこぼしていた。
なんて美しい涙だろう。
決まった、と思った。
もう私の伝えたいことはすべて伝わったと確信した。
まだなにも言葉はかけていなかったけれど。
心が瞬時に飛んでいったのだ。
入った、のだ。
だからもう怒る必要はどこにもない。
彼等はわかっている。
あの涙は後悔の涙。懺悔の涙。無垢な涙。
相手に何か伝える時には、どんな内容であっても、
自分の一番純粋な部分から、
相手の同じ部分目がけて心を飛ばすと必ずうまくいく。
それから、
確認の意味で私は自分の思いを自分の言葉で伝えた。
子供に言うように、ではなく。
大人の言葉で、私が言いたいように、9歳と11歳に伝えた。
とても短く。ゆっくりと。丁寧に。
最後にひとりずつを思い切り抱きしめて、おしまいにした。
その後、
お兄ちゃんのりっくんは宿題を。
弟のれったんはお風呂に。
それぞれひとりになって思うところもあっただろう。
一時間くらい経ってリビングで顔を合わせた時には、
もう輝くばかりの笑顔に戻っていた。
みんなで、
ココアタイムしようかーと言ってココアを作って飲んだ。
そして、
みかんの缶詰を「うまーい」と言って食べた。
素敵な心を持った子供たちだなと思う。
ここまで育てることができた妹夫婦を尊敬する。
この家族は光りで守られている、と思った。

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