衝撃

さて。
私はこの鍋でいったい何を煮ているのでしょうか。


正解は、
人形の洋服、です。
とうとう鍋でこんなものを煮るところまで、
人生来てしまいました。ぶはははは（爆）
フランス製の新品のワンピースを、ちょっと、煮てます。
作り替えたいイメージがあって。
この服を着るのは…
今制作しているのとは別の、
新しい人形の顔が突然生まれたので。そのひとです。
はじめて「やった！」と思える顔ができました。
嬉しくてウキウキな私。
まるで恋をした気分で心踊りながらアトリエに行ったら、
人間と同じくらいの大きさの人形が…。
先生の新作。
可愛らしい私の恋心がいっぺんに吹き飛ぶほどの、強い衝撃。
あああ…。
その迫力といったら！
恋に浮かれた時間は、
雲間から一瞬だけ射し込む陽光みたいで。
儚くて。
圧倒された私の心はふたたび無口になる。
いつまでもこんなところでこんなことはしてられない。
黙々と今日もまた、磨きます。
自分の人形を育てよう。　旅は続く、続く…