2006 クリスマス
ひーちゃん(以下、ひー)にメール。
ちょっと下北沢まで古本売りに行きたいから車出してって。
クリスマスイヴはいそがしーだろーと思って少し遠慮気味にメールしたら
「ひまだよ~」と返ってきたので、やったあーと喜ぶ。
朝、迎えに来てもらう。
ひーが来るまでの間、ニュースで「本日、有馬記念」というのを聞いて
え?じゃ、ディープ最後か?と思う。
うーん、見なきゃ。
それなら下北沢のあと、急いで銀座に移動してWINSのモニターで見ればいいな、
ということに決める。
ついでに記念だから馬券買うか!と、師匠と盛り上がる。(笑)
久しぶりの下北沢は、おもちゃみたいだった。
ここに住んでいたなんて、もう信じられない。
自分の感覚は4年前とはまったく変わってしまったと実感する。
どんどん進む、なにか。
サンデーブランチでのんびりランチしてたら、時間がけっこうぎりぎり。
ひーの運転で銀座へ移動。
すいすい走ったのに、銀座でいきなり渋滞。 歩行者天国のせいだ!
駐車場まであとちょっとなのに~
イライラしかけたけど、いけないいけないと思い直し、
ひとりでこっそりチャミュエルにお願いする。
そしたら、すぐ目の前のパーキングメーターの所が空いた!
わーい。
「あたしたちの日頃の行いがい~からだね~」と三人で笑いあう。
ホントは天使のおかげ。 私は天使の働きを信じる。
またまたひとり心のなかで、チャミュエルにお礼を言う。
競歩か?(笑)というくらい、ものすごい早足でWINSに向かった。
着いたらちょうど6レースが始まるところだった。
ディープは9レース。
ものすごい人、人、人。
馬券の買い方忘れたので、係のおねーさんに教えてもらう。
私は、ちょっとここには書けないけど、買う時、あるおまじないをかけた。
ずっと前から試してみたかったやつ。
それから、モニターの前に陣取った。
どきどきしてきた。
ディープはいろいろニュースになったりして大変だったけど、
本人(本馬?笑)にはまったく関係ないことばかりで、私はよかったと思ってる。
病気とか怪我とか、ディープ自身が苦しむことだったらいやだけど。
そうじゃなくて、世間の都合だから、まだよかった。
ただ、一緒に仕事をしたことがあるのでスタッフの胸中を思いやると切なくなる。
でもたぶん、もういろんなことを振り切って、
きっと今日の日を爽やかに迎えてるはずだと、
モニターに映るみんなの顔を見て思っていた。
彼等とたった一度だけでも、一緒に仕事できたことを、私は誇りに思う。
(2005.8月のエッセイバックナンバーに
ディープを撮影したことが書いてあります。まだ見てない方、読んでみてね)
さて。 いよいよスタート。
ああ。 いつもの走り。 びりから二番目あたりだ、ディープ。(笑)
そう、これがディープインパクトの走り。 奇蹟の、ペガサス。
彼は、レース中盤戦以降、背中に羽が生える…. 飛ぶ、のだ。
軽やかに加速して、 ほら、 一等賞だ。
ラストラン。 やっぱり彼は、飛んだ。
私は、最後の走りを見たら、
泣いたりして鼻水とか出て大変になっちゃうかな、と思ってたんだけど、
全然そんなことなくて、
以前のように無意味に感傷的になったりはもうしないんだなと自分のことを思った。
でも、今日こそは静かに見てようと思ったのに、それはだめだった。(笑)
ゴール直前、
場外馬券売り場中に響き渡るような大声で「でぃーぷっ!でぃ~~っぷっ!」と
叫んでしまった……ぶはははは(爆)
で、馬券。
おおおおおぉぉ~っ! おまじないが。 おなじないが! 効いたのか!?
勝った。(笑)
ディープの他に、全然知らない馬をあてずっぽうで買ったんだけど、
それが予想通り2着で来たのだ!
なんというクリスマス!
チャミュエルと、ディープインパクトに、プレゼントをもらったよ。
ひーも、儲かっていた。(笑)
(師匠は、ディープ単勝のはよかったけどその他はだめでしたー笑)
一番儲け率がよかった私が、師匠とひーに
銀座竹葉亭で名物鯛茶漬けを御馳走することに。
他のテーブルの人達は普通に食事してるのに、
こんなうまいもんははじめてたべたぜ、と笑いながら食べるひーを見て
私と師匠もひとくち食べるごとに、ぷ~、とか笑っちゃって、
美味しすぎて、私達は少しあたまがおかしくなってたかも。(笑)
最後まで笑いあいながら食べた。
デザートに頼んだアイスクリームの上に、
小さな薔薇の蕾みがちょこんとのっていて、
とても幸せな気分になる。
楽しい、楽しい、一日だった。
夜、ひーが帰ったあと、テレビでロードオブザリング。
観ててものすごい不愉快になる。(笑)
こんなのぜんぜんファンタジーじゃないと思った。
ただの戦争映画にしか見えなかった。
もう観るのはやめようと思ったけど、ガンダルフを好きになって、
とうとう最後まで観てしまった。
たぶん原作の方が100倍面白いんじゃなかろうか?
でも、きっと読まない。
私は今、どんな架空の話よりも自分の人生の方が面白い。
こうして生きている、このリアルな世界が、一番面白い。
楽しくて仕方がない。
なんでもない日常が。
これこそが。
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