2011.0218　満月　～大いなるもの～

最初はただの粘土の塊。
最初は何でもない、僕。
何者でもない、僕ら。
だけど、すでに、計画は、ある。

それは大きな手によって形作られてゆく。
僕は何ひとつひとりではできないけれど。
いつでも大きな手が、助けてくれる。

やすりをかけて。削って。磨いて。

要らないものは、落としてゆく。

そうしてカタチが出来てくる。

僕はだんだん僕になってゆく。
僕は少しずつ、僕を思い出す。
やがて別れの時がやってくる。

これまで僕を助けてくれてありがとう。
さようなら。
もっと違うものの助けを借りる時がやってきたんだ。
僕がもっと僕になるために。
僕がもっと僕を思い出すために。
大きな手は導いてくれる。
ずっと一緒なんだ。　僕は、ひとりぼっちじゃない。
新しい出逢い。

僕が僕になるために。
僕が僕を思い出すために。
大きな手が決めること。　僕はそれに従う。　心から信じて。
心配なんかしなくて大丈夫。ただ任せていれば、大丈夫。
生まれて初めて、「色」を知ったよ。
きれいだね。　ふうん、「あお」っていう色なんだ…..
僕この色好きだよっ！

あ！目が！　　わあ！　　みえるー　　世界がよく見えるっ
真っ赤なハートももらったよ！（僕のココロは燃えているーっ）

ねえ、僕は誰なの？　　えっ？　鳥なの？
ほぉ～　　じゃあ飛べるのかなっ？　飛ばなくちゃね！
僕はどんどん僕になってゆく。
僕はぐんぐん、僕を思い出す。
だけどちょっと待って。　　ねえ、僕ホントに鳥に見える？
なんかこれじゃあ、ちっちゃな恐竜みたいじゃない？
へびに見えるかもよ。？　誰も僕が鳥だって気づいてくれないかも。
僕が僕でありたいために。人目を気にするようになる。
そうすると大きな手に注文を出したくなるんだ。
時に、お願いしてみたくなるんだ…..。

あ。やったー。ちゃんとまっすぐにお願いしたら叶えてもらった！
ほら！　見てっ！　　僕、鳥らしくなってきたと思わない？　やっほー。
大きな手は、
くちばしに奇麗な色をつけてくれた。これ黄色っていうんだね？
ちゃんと飛べるようにしてください、とお願いしたら、
羽にも奇麗な色をくれたんだ！

ありがとうございます！　僕は僕になった！　僕は僕を思い出すことができた！
さて！それでは仕事をしなくっちゃ！
だって僕は働くために生まれてきたんだものね。
さあ、手紙はどこ？　僕が届ける手紙は？
………あった！　みつけた！
このココロを届けるのが、僕の仕事だね。
僕が生まれてきた意味はここにある。
この仕事をするために、生まれてきたんだ。
届けよう！　　届けたい！


間違いなく。　大切に。　　持ったよ。　　すたんばいおっけー。
では、行ってきます。

大きな手、僕を助け続けて。作り続けてくれて。　ありがとう。
お願いも叶えてくれてありがとう。
僕は僕になって。僕は完成して。僕の仕事ができるようになった。
誰かのために。

いってきます。
☆☆☆☆☆
ふふふふ。＾＾　あ～たのしかった！
さてと。
つぎはなにをつくろっかなぁ？

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