満月から、この一週間のこと

まーぼーが死んで最初の三日間はびっくり泣いていた。
今はもう、
なにがそんなに悲しかったのか、
思い出せない。
だって、人が死ぬなんて、
まったく当たり前のことなのに。
死んだと聞いて
なぜ、いちいち驚いたりなんかするのだろう?
しばらく考えたら、わかった。
私は、まーぼーが死んだことに驚いたわけではなく、
約束をして、今これから来る、という人が死んだ…
ということに驚いてしまったんだと思う。
まったく予測のつかなかったことに仰天して、パニックになったのだろう。
私は衝撃に弱い。
これで、これから心のどこを鍛えていくべきかが、はっきりした。
今の私はやる気満々。
人はどういう時に弱くなるかというと、
やはりやり残したことに対しては限りなく弱くなっていくなと思った。
もう先へいってからはどうしようもないから、
過ぎたことは、そのまま認めるしかない。
認めたくなくてジタバタする時、弱さが露呈して、苦しむことになる。
まーぼーに関しては、私は覚悟が足りなかった。
だから、最後、あんなに泣くことになったのだ。
去年の6月、
まーぼーは心臓手術を受けた。
私は仕事でイギリスへ行かなければならなくて、
とても心配だったけれど、帰国して、お見舞いに行ったら、
もう退院していた。
まーぼーは、
そのすぐあとの青山での私の個展にひょっこり来てくれた。
ものすごい元気で….
あの時に、すっかり安心してしまったのだ。
もうこれでだいじょうぶ、と。
手術をした時、私は、一瞬、覚悟を決めた。
人の命はいつどこでどうなるかわからない。
いつ別れがやってきても、受け止めようと。
なのに、
そのあと、安心してしまって、
まーばーはいつまでだって生きると勘違いした。
サインは、一年前にやってきていたのに。
拾えなかった。
もし、覚悟が持続していて、常に私の中に緊張があれば、
あの満月の夜に死んだと連絡をもらっても、
その後3日も泣いたりはしなかっただろう。
私は、覚悟が足りなかった。
そのことを、悔やんで、悔やんで、
悲しくて泣いたというよりは、悔しくて泣いたのだ…
自分が「できなかった」ことに対して。
悔しくて。
これで
「なにがおこったのか」
ほんとうに、それがわかってよかった。
今はもう気分すっきりだ。
まーぼーが私に教えてくれた大切な教訓を一生忘れないようにしたい。
あの時、最後に、走り出してしまって、
無理にまーぼーの顔を見にいったりしなくてよかったと、心から思う。
止めてくれた師匠に感謝しよう。
なぜあの時そんな衝動にかられたのか
あの時はわからなくて、ほんとうに苦しかった。
でも、
今ならわかる。
あの時、私は、まーぼーに会いたかったんじゃない。
約束を果たせなかったふたりのタイミングを、
どうにも許せないでいただけだ。
会って、顔を見て、無理に果そうとした私は、卑怯だったと思う。
そんなふうにしても、
まーぼーはもういってしまった。
会ったところで、自分の気休めにしかならない。
約束は、ふたりの約束。
私だけが残って、果せたような気になるなんて。
フェアじゃない。
もし、まーぼーが天国で「ちきしょー。最期に会いたかったぜ~」
と思ってくれてるとしたら、私だって「ね~?ほんとだよー!」と
言っていたい。
だから、
最期は行かなくてよかった。
神様が決めた通り触らずに。
こういうふうだったという、
ふたりの縁を大切にしたい。
阿久津ちゃんがメールで「笑ってた」と教えてくれたんだし、
もうなにも思い残すことはない。
部下や、家族が、最期を見とどけて、送ってあげたんだから。
まーぼーは幸せものだと思う。
このことは、私をまた、とても強くしたと感じる。
今は、
大草原に立って、風に吹かれているような気分だ。
心が、どこまでも広がっていくような。
爽やかな気分。
最期のメールのやりとり、
まーぼーの「今年はあと2ヶ月ですが」というところ…
何度読み返してみても「僕の人生はあと2日ですが」と読める…
それに対して私の返信…
「これから北條さんの人生は楽しいことがたくさんあるはず」
と書いてあるのが、なんだか慰めのような…励ましのような….
いや、門出の言葉か…
あとから落ち着いて見渡すと、いろいろわかってくる。
やはり、冷静でいることが一番だと実感。
どんな時にも、常に、落ち着いて。
それが、一瞬でどこに「ほんとう」が潜んでいるのか、
みつけることができる唯一の方法だと思うから。
私はこれからも楽しく心の修行を積んでいきたいと思います。
泣き終わったあとは、アトリエに行ったり、
セドナのモーテルで偶然会った内山くんと銀座で再会して、
師匠と三人で食事したり、楽しいことが続いていました。
内山くんは、とても素敵なスピリットの持ち主で、
聞いたところによるとセドナのエアポートメサのてっぺんで、
座禅を組んだらしい。
グランドキャニオンでも。
彼はたったひとりで、バイクで大陸横断を成し遂げた…
なかなかの、かっこマンです。
あと、実は、来年のカレンダーを創ることにしました!
限定30部。天使の人形付き。ぷぷぷぷ~
それと、いよいよ、本を…..^_^
カチーナ展にも行きました。
ミクシィでべるべっとぶるーさんが教えてくれたので、
いそいそ二子玉川まで行ってきました。師匠と一緒に。
観に行けて、とーってもよかった!
お気に入りのモロッコ料理店でランチして、それから観ました。
なつかしかったな~~~アリゾナ!
カチーナは、大きなものばかり展示されていました。
カチーナにはいろいろ意味があって、
私がアリゾナで買ったみっつのカチーナは、
「すべてのカチーナの母」
「創造の力を持つカチーナ 芸術を司る」
「ハンディキャップを持つが、とても早いランナー」
という意味があるらしい!
どれも今の自分にぴったりのものを選んで買ってきたようで、
自分の持つカチーナの意味がわかって、感激しました。
この展示会のことを教えてくださったべるべっとぶるーさん、
どうもありがとう。
この場を借りて、あらためてお礼を申し上げます。
そして人形展。
泣き顔の人形…
「これ、間に合わないと思うわ…」と先生に言われていますが!
いえいえ!頑張ります!
絶対に展示するわ!
まーぼーのためにも!!!
☆☆☆☆☆☆☆☆
安藤早苗人形教室展
2007.11.20(火)~25(日)
東京渋谷 ギャラリー ル.デコ
東京都渋谷区3-16-3 TOWAビル 6F
03-5485-5188
☆☆☆☆☆☆☆☆
アリゾナポストカード発売中!
1セット5枚 3ヴァージョン創りました。
「セドナ ザイオン アンティロープ ヴァージョン」
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「グランドキャニオン モニュメントバレー ホピ ヴァージョン」
1681-3.jpg

「苺セレクション ヴァージョン」
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お買い上げいただいた方の中から希望者12名様に
セドナのお土産プレゼントあり!
天使の銀貨(裏に「HOPE」(希望)と彫ってあります)
もしくはパワーストーンプレゼント。
なお、
プレゼント希望受付は、11/5まで。
希望者多数の場合は、抽選となります。
住所 氏名 希望セット数 プレゼント希望か否か
以上をご記入のうえ、
「なつのいちご」オフィシャルサイトのバイオページのアドレスから
メールにて、ご応募ください。
価格は、5枚1セット1,000円。
ポストカードの申し込み受付は11/30まで!
まだまだたくさんのご応募お待ちしています!!!
(まだアリゾナのエッセイを読んでない方は、
 10月のバックナンバーを読んでくださいね)

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