本が出来ました
昨日、たくちゃんが出来上がった本を届けてくれました。
はい、どうぞと、お辞儀をしながら手渡してくれました。
ありがとうございますと、深く一礼して受け取りました。
座って。
落ち着いて。
ぱらぱらページをめくって。
そうしているうちに、どうしてかな、涙が出てきちゃった。
困ったと思いました。
こんな時はきっともっと笑って喜んで、よかったよかったと言うものでしょう?
どうしてそうできないのだろう?
明るくしようと思って頑張って話しかけるんだけど、喋ると余計に涙が出てきちゃって。
きっと変な人だと思われてるに違いないと思ったらすごく焦っちゃって恥ずかしかった。
なんだか申し訳なくて。ごめんなさいごめんなさいと心の中でいっぱい謝って。
あれ?なんであたしこんなめでたい日に謝ってるのかと思いましたけど。
「いちごさん、今日なんか変ですね」と、たくちゃん。
「あらそうですか?」と言ってみたけど、私……
どうして私は肝心な時に変な人になっちゃったりするんだろう。 もォすごくヤだ。
自分でもなんの涙かよくわからないうちに、たくちゃんは帰っていきました。
髪を切りに行く予約をしていたので、代官山へ。
さっそく一冊、担当してくれてるヘアメイクさんに持って行きました。
終わって、会計の時、レジのところでスタッフ数名がみんなで私の本を見ていて。
「なんだか、この本を読んでいると前向きな気分になります。元気になれそう」
と感想を言ってくれて。
そうなんだあ…..ほぉ….. と。 新鮮な気分でした。
自分の本の感想。 初めて言われた。 なんか不思議。
なんだかとても落ち着かない気分なので、
歩こうと思って。
代官山から渋谷までてくてく夜の道を。
去年までアトリエとして借りていたアパートの前を通ってみました。
ここであった様々なことをちらっと思い、ああみんな遠くなったなあ~と。
すっかり想い出。
過ぎてみれば全部楽しいことばかり。今はもういろんなことが変わりました。
随分進んできた気分です。見える景色が違うもの、全然。
渋谷駅でちょっと本屋さんに寄ってみました。
まだ置いてあるわけもなく。なんですが。気になって。(笑)
だけど、
本棚の背表紙や平積みの表紙を直視できなくて。
こわいーと思って逃げるようにお店を出ました。
ちょうど閉店のアナウンスが流れていたので、
「ああ早く帰らなきゃ。ごめんなさーい」と思いながら。
ますます落ち着かない気分になって。
もっと歩こうと思って、渋谷から青山まで。 てくてく。
宮益坂を上っていたら、また、ふいに涙。
ぽろぽろっと溢れたのでびっくりしました。電車に乗ってなくてよかった。
泣きながら夜の街を歩いている、昼間よりもっとものすごく変な人になってしまいました。
あー。もォどーしよーと思った!
帰宅して。
ゆっくり1ページずつ本を見てみました。そしたら、
あれっ!ここあたしこんなふうに書いたっけ? と思う箇所を発見。
誤植か!?と思ったけど。原稿引っ張り出してきて確認したら、私が自分で書いた通り。
ははは(汗)
なんで今頃こんなふうに思うのか。もう一万回くらいチェックしてるはずなのにー!
ふしぎだー。
どんどんページをめくって。 眺めていたら。
突然押さえきれない、でも説明のつかない感情が一気にばーんと押し寄せてきて。
号泣しました。
声をあげて泣きじゃくり。 その時、私は初めて自分の涙のわけを知りました。
知ったら。
余計に泣きたくなり、わんわん泣きました。
今はアトリエにひとり。変な人になったっていいのです。
思い切り泣きました。(結局朝まで泣き続けました)
涙のわけはひとつではありませんでした。
たくさんの想いが詰まった涙だったのです。
私は昨日のエッセイの最後に「一流の魔法使いになりたいのです」と書きました。
それは、なぜか。
よりよい写真を撮りたいからです。魔法を勉強しているのは、写真のためなのです。
私は、
一流の写真家になりたいです。
それが、一番の望みです。
目標地点はまだまだ遥か遠いのです。
旅は続くのです。
ここまできてはじめてみえるけしき、というものがあると思います。
だから、やっぱり、
進むことは大事なのです。
ひとまず、本が出来ました。
ここに来るまでに随分長く時間がかかってしまいましたけど、
なんとか辿り着きました。
本を出版するという夢が、ひとつ叶ったのです。
さて。私は今ゼロの状態。
ここからまた新しく頑張りますので、
たくさん応援してもらえたら嬉しいです。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
夏野苺のデビュー作です。↓
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