探す旅
先週の軽井沢。
今回の黒姫。
来週は秋田へ。
その次は九州へ。
九州は熊本から入って、宮崎、大分、福岡とまわる予定です。
本のために撮影する旅です。
ぼんやり見えている「絵」があって、それらを探しに行く旅。
今のところ、軽井沢と黒姫では
想い描いた通りの「絵」を記録できています。
今はもうすでに秋田での「絵」が見えています。
だから、探せば、必ずみつかるのだと思います。
どうか皆さんの手元にまで届けることができますように。
(photo by カズン)
黒姫へ行く日のこと。
午後から急に激しい頭痛と吐き気が。
身体が震えるほどの悪寒も。
多分、その後、発熱したと思います。
横になって、今夜の出発をどうしようか悩みましたが、
なんとなくここでやめて寝込んでしまうと違う方向に行くような気がして。
出発ギリギリまで寝てましたが、そろそろ迎えの車が来る時間という頃になって、
「あと30分で用意しなさい」という虹色の声が私の内側で響いたので、
パッと飛び起き、寝袋とカメラと洗面道具と僅かな着替えだけ持ちました。
迎えに来たYちゃん&カズン夫妻、
私の顔を見るなり「やめた方がいいんじゃ?」と不安そう。
心配かけて申し訳ない。
でもやめるわけにはいかないの、と、後部座席に勝手に乗り込む私。
寝袋に包まって横になり、「行く」の一点張り。
結局車を出してくれたふたりに感謝します。
雪の深い山小屋でコノヒト倒れたらどうしようと思ったら怖かったかもしれないけれど。
たぶん、私を信じてくれたのだと思います。
ホントありがとう。
うつらうつらしているうちに、真夜中。黒姫に到着しました。
着いた私はいきなり雪の中で嘔吐。
せっかくのまっしろい美しい世界が台無しです。ああごめんなさい~。
でも吐いたら楽になったのでした。
私は、弱虫なのです。ビビリ屋で恐がりです。
だから、
それを克服するにはどうすればいいのかということに、常に注目しながら生きています。
心を強くすることにとても興味があるのです。
そうするための機会が多く与えられるのは、こんなふうに私が望んでいるからでしょう。
1冊の本を作るって、私にとってはものすごい重圧だったのかもしれません。
素敵な編集者に出会って、なにもかも初めてばかりの作業が楽しくて、
ここまで夢中できましたが、
やっぱりビビリ屋さんにとってはいっぱいいっぱいだったのかもしれません。
締め切りを守るため徹夜も何度か。
テキストの第一稿を書き上げたとたん、このザマです。
は~。(恥)
溜まっていたものが、ばーん!とバクハツして、吐いたのだと思います。
みなさん、かっこわるくてすみません。
これがあたしです。 リアルなあたし。
でも、これは最大のチャンスなのです。
具合が悪くったって、続けなきゃ。
撮らなきゃ。
というわけで黒姫へ向かうことにしたのです。
翌朝にはすっかり全快!
Yちゃん&カズン夫妻にいろいろ話を聞いてもらってすっきり気分。
わ~。窓の半分は雪に埋まっています。
来てよかった。
こんなのなかなか見れないもの。
朝風呂が気持ちよかった!
窓の外は、雪、雪、雪~。
白い世界を眺めながら長風呂~。
撮影するため、車であちこち連れてってもらいました。
景色のなにもかもが芸術作品に観えました。
雪のオブジェ。
長野はお蕎麦が美味しいので今回も楽しみにしていましたが、
間違ってつい(笑)通りがかりのラーメン屋へ入ってしまいました!
黒姫駅の前にあるから「えきまえらーめん」…….
まんますぎる。(笑)
好きだけどね~。直球すぎるこの感じ!
食べものといえば、すっ…てきな!パン屋さんをみつけました!
こわいくらいに美味しいのでした!なにもかも!
私は看板と店構えを見ただけでぴん!ときたね。
ふらっと寄って、一回買って、車内で摘み食い。
ひっくり返るほど美味しかったので、
すぐ引き返し、もう一度店内へ。
今度はばーん!とたくさん買いました!
全部美味しかった!
ここのパンじゃないけど、
そういえばYちゃんは朝食の時パンを焦がしてました。
芸術的に。
でも焦げをナイフで落としてみんなで食べました。美味しかった。
ごちそうさまのあとキッチンへ行ったら焦げちゃんたちがいて笑った。
それを見て何かを思い出しかけたんだけど。
なんだろう?
はっきりとは思い出せないまま、今もまだ。
でもそれはたぶん誰かとの関係性のことのような。 ではないような。
旅の最後に奇跡的な偶然の出逢いが。
長野駅近くにある「BAKERY’S STREET&CAFE」というカフェへ寄った時のこと。
店内の雰囲気がとても素敵だったのですが、雑貨コーナーを見ていたら、
カメラモチーフの作品が売られていて……
それがすごく不思議で……
カメラと手鏡、とか。
カメラと鍵、とか。
その人の作品には全てカメラが。
相当写真好きな人かなと思ってレジで尋ねたら、カメラマンさんだそう。
東京でお仕事されて、今は長野にいらっしゃるそうです。
私はふたつ買いました。
ひとつは携帯に、ひとつは首から提げて。
お守りにしようと思います。
これは、物撮りをして、なんとか本の中に載せたいなあ。
(そしてなんと!このカフェは出版社が経営しているカフェで
二階がギャラリーになっているそう。
本が出たら個展してください、と言っていただきましたよ!^^)
さっき打ち合わせした時、編集者に買ってきたものを見せてみました。
そしたら、
見ている私が「え?」と驚くような動きをしながら、それに触った彼。
普通の人だったらあそこですぐあんなふうにはしないだろうなというような。
つくづく変わった人だなあと思いながら眺めてしまいました。
思わず「あなたはもしかしたら人間じゃないでしょ?」と尋ねてしまった私。
それに対して、
そうだよ、とも、ちがうよ、とも答えなかったのは、
黙っていたのは、
なぜでしょう?
世界の秘密を知っている人は絶対に「知っている」と言いません。
なぜなら、
知らない人に向かってそれを言っても無駄だからです。
知っている人に向かってそれを言うのは、もっと無駄だからです。
ほんとうの魔法使いたちは、皆、寡黙なのです。
知っていることを「知っている」とは言わずに、
ただ、静かに、
それを行うだけなのです。
それが一番正しい伝え方だと、「知っている」ので。
(photo by Yちゃん)
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