悲しい時にケーキを食べる

昨日、あれから、
朝じーっとユリの花を観ていたら、
ロロおじさんやナオちゃんの顔が浮かんできて、
「いまあいたい!すぐあいたい!」と
もういてもたってもいられなくなって、
そうだ今から軽井沢へ行こう!と思い立ち、出発した。
出かけてから
「今日はお店やってるかしらん?」
と心配になって、電話するべきだと思ったけど、
番号をひかえてこなかったので、Yちゃんにメール。
すぐにネットで調べてくれた。
駅のホームからナオちゃんに電話。
「今からいくね。会いにいくから!」と早口で伝える。
ロロおじさんも電話口に出てくれて、
「まってるよ。大歓迎だよ」と
言ってくれた。
胸の真ん中がぱあーっと熱くなる。
心の視界が緑でいっぱいになった。
軽井沢は今新緑の季節まっさかり。
緑色の世界が私を待ってくれてる。
緑はラファエルの色。
癒しの色。
きっと私を助けるだろう。
今日は「アリスの丘」で天使の授業を受けよう、と思う。
お店に到着。
懐かしい顔がふたつ。入り口に並んでる。
私は、ロロおじさんを見たら、ばあーっと泣くかなと思ってたのに、
全然泣かなかった。笑って握手して、きちんとご挨拶できた。
でも、
テラス席に座って、忘れんぼのバナナケーキを注文して、
……運ばれてきたケーキを見たとたん、泣けて泣けてしょうがなかった。
そうか。
私はこのケーキに会いたかったんだ。ずっと、ずっと。
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うえうえ泣きながら食べる。
ニューカレドニアから連れ帰ってきた人形たちと一緒に、
妹の写真も持って行ったので、
飾っていたら、ナオちゃんが妹の分も持ってきてくれた。
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ナオちゃんとしばらく話す。
涙がどうしようもなく止まらない。
いったいなんの涙なんだか自分でもさっぱりわからない。
妹のことなんだか。
ゆうべ聴いた悲しい話のせいなんだか。
まあ、ぜんぶひっくるめて、今日は泣きたい日んなんだ。
泣きたい時には泣く。
我慢しないで涙はどんどん流すべき。
自分の中の川がさらさら流れていくようで、気持ちいい。
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人っていろいろだなあ。
あの心がわからない人がいるなんて。とても悲しい。
そう思っていたけれど。
泣いていたら、
なにが、
どこが、
一番悲しいのか、
わかってきた。
きっと「理解してもらえない」という部分なんだろう。
それまで私は、自分が「理解できない」と思っていたけれど。
違う。
私はわかる。あの人の気持ち。
でも、あの人は私の気持ちをわかっていない。わかろうともしていない。
仕方ない。
知らない人の話だから。
人づてに聴いただけだから。
わかりあえるわけもない。
人は、欲しがる時、苦しくなる。
与える時には、そうはならない。
苦しいと感じたら、欲しがっている証拠だ。
特に、
どうしても手に入れたいと思うようなことに関しては、苦しみも増すだろう。
執着を手放すことができれば心は解放される。
私はアノコトに関してあまりにも「理解してほしい」と思いすぎたんだろう。
最近はもうあまり人から理解されたいという思いを持たなくなっていたのに、
それでもどうしてもゆうべ悲しかったのは、
自分だけのことじゃなくて、ちょっと迷惑をかけちゃった人がいるから。
その人に対して申し訳なく思い、私は幸せだったのに、
その陰にはそうじゃない人がいたんだという事実がショックだったんだ。
でも聴けてよかったと思う。
話してくれたその人には感謝したい。
あのショックがあったから、私は今こうしてバナナケーキを食べてるんだもん。
出来事ってすべて、
自分がそれをどう捉えるかによって結果や行動が違ってくる。
私は、
どんなことでも「これでよかった」と思えるような地点まで、
移動し続けたい。
出発は、悲しみや苦しみだったとしても。
笑顔が戻る場所まで、心をこめて進み続けたい。
ケーキを食べたあと、
ロロおじさんと食事した。
となりで、美味しそうに食べている。
ふふふ….とても微笑ましい気分になって、
食事中あまりじっと見ちゃ失礼かなと思いつつも、
私はたびたび自分の手を止めて、
おじさんをみつめた。
嬉しくて。
こうして一緒に今ここに居れること。
一緒にご飯食べてること。
この世で会えたこと。
仲良しになれたこと。
これは宝物だと思う。
こんなに美味しそうに食べてるって、
素晴らしい勢いで生きてるってことだもの。
命を感じる。
ロロおじさん、長生きしてね、と思う。
そうか。
またひとつわかった。
私はあの人に「命の尊さ」をわかってほしかったんだな。
もしあの人が、わかっていれば、あの発言はないだろう。
できないだろう。
できるはずもない。
いつかあの人の人生で、わかる日がやってくるといいな。
祈ろう。
知らない人だけど。
それをわからせるのは私の役目じゃないけど。
遠くから、祈ろう。 あの人のために。
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ナオちゃんの娘さんがちょうど「アリスの丘」に来ていたので、
初めてご挨拶する。
「友達が苺さんの大ファンなんです」と聴いてびっくり。
向こうもいきなり私が登場したので驚いただろう。
そんな偶然?(笑)
世界は面白い。どんどん繋がっていく。
そういえば、
永島さんのライブの時に、彼のファンの人から
「苺さんのエッセイを読んで軽井沢行ってきました!
 昔から森村桂さんのファンだったんです」
と言われた時には、びっくり仰天した。
まさか永島さんと「アリスの丘」が繋がるとは思わなかったので。
友達に報告したいので一緒に写真を、と言われて、
「いいですよ」と答える。
こんな泣きはらした顔で申し訳ないと思ったけれど。
ファンって、なんだろうって、考える。
スターならわかる。
スポットライト浴びて、人前に出る仕事をしている人なら、わかる。
いっぱい「ファンです」という人が集まってくるだろう。
でも、
私はスターでもなんでもないし、仕事は黒子のようなもの。
ステージの下から輝く存在を見上げて、静かに世界を記録していくだけの、
裏方のようなものなのに。
「苺さんのファンです」と言ってくださる方がいらっしゃる。
不思議で素敵なことだ。
緑の世界の中で私は考える。
これまで「苺ファンです」と言ってきた人のことを。
スターさんとは立場が違うからそうできるのかもしれないけれど、
私は、たとえ私を好きだと言う人に対しても決して媚を売らない。
おまえそれはちがうだろ
と思うことがあったら、はっきりそう伝える。
ファンからしてみたら相当ショックだろうと思う。
好きな人からそんなことを言われたら傷つくに決まってるから。
でも、
私の目的は人を傷つけることじゃない。
真実を伝えることだ。
本当のことって、時に、人を深く傷つける。
傷つくのも、つけるのも、
怖いと思うならおそらく真実を語ることはできないだろう。
私は世界の善を信じているので、傷つくことを恐れない。
傷をつけることも、恐れない。
そこで相手もまた自分を守っていく強さを手にするチャンスだと思うから。
いつだって真剣勝負の付き合いしかしたくない。
私から離れていった人もたくさんいた。
「苺さんってそういう人だと思わなかった」
そう言われるたび、よかったと思った。
その人が、くだらない自分だけの夢から覚めることができて。
幻想の世界に当てはめて、勝手に、
私を見たいように見て「ファンです」と言ってるような人は、
簡単に離れていく。
でも、
本当に「夏野苺の表現の世界」を好きで理解しようとしてくれる人は、
長く長く私を見つめ続けてくれている。
私以上に私の世界を守ってくれている。
とことんついてきてくれる。
また、
最近新しく私を好きだと言ってくれる人は、素敵な人ばかり増えてきた。
以前は、
私自身が「あの程度」だったから
それに相応しい人もたくさん寄ってきていたのだろう。
その出逢いの中で私はいつでも学んできた。
学ぶたびこのエッセイにも多くのことを記録してきた。
これからもきっとたくさんのことがあるだろう。
私はどんどん進んでいきたい。
私を守ってくれる人達と、
さらに高みを目指していきたい。
みんな一緒に頑張ろうという気持ちだ。
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ロロおじさんと、犬のごんちゃんと、散歩する。
途中、おじさんが「ほら」と言って、
カラスの羽根が落ちているのを拾って、渡してくれた。
とっさに私は「招待状だ!」と思った。
軽井沢の森からの招待状。
遠くの林の向こうでたくさんのカラス達が集会を開いているのが見えた。
東の魔女を受け入れるかどうか…….
ここ何回か私が通っていたのを、彼等は見ていたに違いない。
それで今日、結論が出たのだろう。
「おまえさんを森の仲間としよう!」
ふふふふふ(笑)
きっときっとそんなことになってるに違いないよぉ~!
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アリスの丘、来てよかったー すべてのタイミングは今日だったなー
心からそう思った。
(大天使ガブリエル、ラファエルの導きに、感謝します!)
だから、最後、
私はロロおじさんとお別れする前に、あることを相談してみた。
答えはYESだった。
……これでまた始まるかな。 次の新しいこと。 次の特別なことが。
(そうするには、新しい覚悟が必要だと思うけど)
森村桂さんが天国から
「は~い、皆さん『アリスの丘』に全員集合してください~」
と言ってるのが聴こえるよ…….
ナオちゃん、VTRを観せてくれたんだ、
桂さんがバナナケーキ作ってるところの。
動いてる桂さんを初めて見た。
ぴょんぴょん跳ねて踊りながらケーキを作っていた……
やっぱり……….、     踊るんだ。
私もこのまま、
踊りながら生きていこう。
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さて。
ケーキをたくさん買ってきました。
これだけあれば当分ダイジョウブ。
心のお守りだよ~
(笑)

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