セコンドメサ(ホピ族居留地)

旅もいよいよ終盤。
お別れムードが心の中を漂ってきた。
この切ない感じが、
少しずつ私を強くしてくれているのだと思う。旅の魔法。
今回、師匠がどうしても行きたいと言った場所がセコンドメサ。
ネイティブアメリカンのホピ族の居留地だ。
地図を見ると、
ナバホ族の居留地の、ほぼ真ん中あたりに、小さく
ホピ族の居留地がある。
追いやられて、追いやられて、こんなことになったらしい。
師匠は10年ほど前に一度セコンドメサを訪れている。
雑誌の取材で、ホピ族のジュエリーアーティストを撮影するために。
彼にもう一度会いたいということで私達はセコンドメサを目指した。
でもその前に、
ナバホ族のトレーディングポストに寄ることに。
ザイオンで会ったみっちゃんからの情報で、ここは観ておくべし、
ということだったので。
☆トレーディングポスト☆
 その昔ネイティブアメリカンや開拓者達が
 自分達の売り物を持ってきて物々交換や商談をしていた場所
行ってみたら、ぽつんとこじんまりしていたけれど、
歴史的な厚みを感じる場所だった。
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中へ入ると、奥の方にインディアンジュエリーのコーナーが。
その中で「あ」と私がびっくりするようなものが。
…火消し、だ。
シルバー製で、ターコイズが埋め込まれている、火消し。
すごく小さいサイズ。携帯用だろうか。
聞けば、アンティークとのこと。
たしかに使っていた形跡がある。
その昔、ナバホ族の誰かが、実際に生活のなかで使っていたのだ…
アクセサリーばかり並ぶなかで、これは異色だぞ…
動けなくなってしまった…
さて、私は
このあとどうしたでしょう?(答えはエッセイの最後に)
気がついたらここで1時間半も過ごしてしまった。
ああ~…(ためいき)
ピッチをあげて、セコンドメサへ急いだ。
どんどん何もなくなっていく。本当に、なにも。
店も、家も、なにもない。
乾いた大地が続くだけ。
樹も水もない。
動物もいない。
なにもない場所。ホピ族の居留地。
なんだろう。とても心惹かれる。 この、なにも無さ。
懐かしい気さえする。
不思議な感覚。
セコンドメサビレッジという看板のところまで来たら店が一軒あった。
最初、店とは思わなかった。
よく見たら「OPEN」の看板が出ていたので、
ショップだと気づいた。
中へ入ってみたら、近代的で驚く。
ちょっとここはなんか違うと思って、すぐ出てきちゃった。
どこの国にも逞しく進出していく「ちょっと違う」ものたち…
そういえば、
セドナの中心地にも「ちょっと違う」ものたちが溢れ返っていたっけ。
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目的の家は、その少し先にあった。
でも彼は不在でした…
ここにもまた来よう。
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セコンドメサの上から見下ろす、何もない風景。
ホピの村。
どうしてか理由は説明できないけれど、
私は今回の旅のなかで、ここが一番好きだと思った。
(現に、帰国してから思い出すのはこの風景ばかり)
以前「あなたは何度もホピ族に生まれかわっています」と
ある人にみてもらって言われたことがある。
あの時はまったくぴんとこなかったけれど、
今は、
ふうん…
そうかもなあ
と思う。
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だけどここ、もうまもなく部族が絶えてしまうんだろうか…
ほんとになにもない。 人もいない。
まるで終焉を迎えているような静けさがある。
特別な空気感。
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その後、また別のショップをみつけた。
ここもやってるんだかやってないんだか、見ただけではわからない。
村全体に漂う、この脱力ムードが好きだ。
そして、
空いている感じが。
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中に入ってびっくり。 カチーナ祭りのよう。
皆さん、ご存知?カチーナって。
私はこの旅を始めるまで知りませんでした。
ホピ族が作っている木彫りの人形(?)のようなものです。
私は最初
コケシだろ?ぐらいに思っていましたが、
もっとスピリチュアルで
トラディショナルなものだということがわかってきました…
さらによく調べてみないとわからないけれど、
昔、シャーマンが呪術的なことに使ったものなんだろうか?
いろんな場所で、お土産品として安価なものが売られているけれど
ホピ族が創ったものが本物で、
木彫り人形という概念でみると、とても高価なのが特徴。
でも。
他との決定的な違いは、魂の込め方…だと感じる。
ホピのものは、全然違うもの。
私はすっかり魅せられてしまい、
欲しいものがいーっぱいっあったけど…
さて、私は
このあとどうしたでしょう?(答えはエッセイの最後に)
1674-7.jpg

ああ、
セコンドメサでも予定時間が大幅に狂ってしまい、
先を急ぐには急いだけれど、
これはどうやら今日中にフラグスタッフに寄るのは無理そう。
みんなで相談の結果、今日のところは素通りして、
明日、フェニックスへ戻る前に寄ろう、ということになった。
途中、
Tuba Ctiyという町のトレーディングポストにも寄ってみた。
だけど、まだ営業時間のはずなのに
なぜかもう閉まっていた。
ビバ、アメリカ。
残念だったけど、
夕焼けが奇麗だった。
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インディアンの居留地ではずっと圏外で
携帯電話が通じなかったので、
暗くなるころ、フラグスタッフ通過中に
ようやく本心さんに連絡できた。
セドナ到着が21:00近くになってしまう…。
ディナーの約束を破ってしまった。
家に行ったら、彼はちょっと寂しそうだった。
話していたら、だんだん元気になったからよかったけど。
パソコンで、師匠が撮影したものをみんなで観ていたら、
本心さんはヴィンテージワインをぼんぼん開けてご機嫌モード。
(笑)
写真も大好きらしい。
快適なベッドルームを提供していただき、
とてもいい気分で眠った。
明日はいよいよお別れだな、と思うと、胸の奥がきゅんとなったけれど。
私はまた絶対、
ここに戻ってくる。

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