はじめてのサーカス

さて。サーカス。
実は生まれて初めて観たのでした。
実家にて。
その朝、苺ママがひと言。
「そういえば近所にサーカス来てるんだよねぇ」
なんですとぉー? じゃあ行こうよ!と盛り上がる。
チケットはどうする?
窓口で買えばいいんじゃ?
でもさー混んでて急に行っても入れないかもよ?
前売りって今からでも手に入るの?
コンビニで扱ってるみたい。
じゃ、寄ってくか?
などと、妹も交えてくるくるっと相談し合う。
いそいそと出かける支度をして車で近所のコンビニへ。
前売りチケットはとっくの昔に売り切れていた…..
会場に着いたら長蛇の列。自由席を求める人々…..
げんなりする私達。
でもせっかく来たんだから
観れるもんなら観ようよということになり、
私は列の最後に並び、
妹たちは売り場窓口へ。
しばらくしたら妹から携帯に電話。
「もう並ばなくていいよ。いい話があるから」
なんだろう?と思ったら。
窓口でチケットを買おうとしていたら、
どこからともなくひとりの若い女性が現れて、
「ご覧になるなら、これをどうぞ」と、
チケットを五枚差し出したそう。
「えっ?おいくらで譲っていただけるのでしょうか?」と尋ねたら
「いいえ、差し上げます」とのこと。
まわりには他にもたくさん人がいるのに、なぜ自分たちに?
一枚3,000円近くするチケットなので、ママも妹も大喜び。
チケットを受け取り、
え~!?
なんつって喜んでいるうちに、
お礼を言おうと思ったら、もうその人はいなかった….
という、なんとも夢のようなお伽のようなお話。
なるほど。「いい話」だ。
これって似たようなことが以前に…. と思ったら、
ああ、マンハッタンで観たミュージカル。
あの時、「ウィキッド」のチケットも
奇跡的な方法で手に入れたんだよなぁ。
苺ママは「…天使だわ!」とすっかり涙ぐんでいる。
感激してしまったらしい。
妹も「ふふふふ(笑)」と頷いている。
ママは泣きながら、
「あなた、なにかした?おまじないかけた?」と聞いてくる。
そうねえ、
私がやったことといえば、あの、「特別な祈り」だけ。
天使の働きはいつだって素晴らしい。 
ありがとうございます
天に向かって感謝する。
もう並ばなくてもよくなった私達。
開演まで少し時間ができたので、
じゃご飯でも食べるか、と近くのショッピングモールへ。
そこは、地方によくある寂れた感じの場所。
珍しかったので、くるくる見てまわる。
地下に最上級に寂れスペースがあって、
まるで映画のセットか?というような、
へんてこりんなご飯屋さんがあったので、そこに決める。
(そこしかなかった)
1922-1.jpg
厨房にいるのは、たったひとり。
フロア担当者は、ふたり。
テーブルの上に何もきてない客が何人か。
なんとなく店員さんは全員テンパっている様子。
一瞬「大失敗かも」と思ったけれど、開演まで時間もないし、
まあしょうがないと、それぞれ注文する。
私はそんなにお腹が空いてなかったのでクリームあんみつを。
妹はレディースAセット。
ママはラーメン。
子供たちは、ハンバーグ定食と、うどん。
きてびっくり。
妹のが注文したものと違っている……
「あの、Aを頼んだんですが」
「これですが?」
「えっ?これ?Aですか?」
「はい、Aです」
「間違いない?」
「ええ、Aです」
じゃあわかりました、といって引き下がる妹。
その店員さん、
そろそろ食べ終わる頃になって、
「すみません、これ出すの忘れちゃった」と言って何かを持ってきた。
それは、
それは、
それは!
蜜。
そうです、私の注文したあんみつの黒蜜。(笑)
それまですっかり気づかなかった私。
蜜無しあんみつを食べていた私。
そんな店員さんなので全然信用できず、
帰りにお会計をする時、
一応妹と入り口にあるメニューショーケースを確認してみたら、
やはり違ってる。
きたのはBだった。
「やっぱり間違っていますよ?」と言ったら
「あれ~?さっきの子供がいたずらしてプレートをいじったんだな~
 それで逆になっちゃったんですね~」
なんつってる。
するってーとなにかい?おまいさんの店ではいたずらされるたびに
くるくるメニューの内容が変わっちまうんだなっ?
………すごすぎる。
あそこは今後ますます寂れていくに違いない。
さようなら。
その後、会場に向かう。
(席はボックスシート。前から二列目)
開演後もぼんやり考え事。
なんとなくさっきの店員の対応に釈然としない私。
食べたいものと違ってしまった妹が可哀想。
きた段階で確認して替えてもらえばよかったか。
私が言ってあげればよかった。
時間もないし、なんて思っちゃったけど。
そんなちーさな穴にハマってうじうじ考えていたら、
キビシクシスギナイデ
と虹色の声。
そこでハッとする。
私が釈然としないのは、店員さんに対してじゃない。
自分に対してだ。
あの時、素早く言いたいことを言わずにいたことだ。
「Aです」と言われて、
「そうだったかな」なんて納得しちゃった自分。
店員さんをいい加減だなぁなんて思っていたけれど、
違う、違う、
いい加減なのは私の方だった。
自分に優しくしよう。
次から気をつければいい。
今日の失敗は許そう。
そう思ったら、
あの店員さんにも「がんばってね~」という気持ちが。
キビシクシスギナイデ  か。
ハッと舞台を観たら、なんと、そこには千手観音様が。
ああぁ…..  
天の計画はいつだって素晴らしい。 完璧だ。
1922-2.jpg
1922-3.jpg
☆サーカスについてですが。
 面白かったです。
 前半は、孫悟空の芝居仕立てのサーカス。
 (ここで観音様が登場してきた)
 後半は、空中ブランコや大車輪など、
 「これぞサーカス」って感じの曲芸。
 機会があったらまた観てみたい。
1922-4.jpg
1922 -5
 妹はとても楽しそうで、
 「ひゃっほう~」とか叫びながら観ていたら、
 前の席の人に「ノリノリですね~」なんて言われてた。
 そう。
 妹は今、ノっている。
 運命の風に吹かれて。
 彼女は大きな流れに乗っている……

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