『天国にいちばん近い島』から始まる物語

ニューカレドニアへ行く話を出版社からいただいた時、
なぜか、
パッと浮かんだ言葉。
「天国にいちばん近い島」
森村桂という作家が書いた本のタイトルです。
私はそのことを全く知らず、
編集者に教えてもらったのだった。
どうしてパッと浮かんだのだろう?
知らないのに。
どこで「天国にいちばん近い島」というコトバが
私の中に入り込んだのだろう。
まったくわからない。
ニューカレドニアへ行く前、私はその本を読んだ。
帰国してから、もう一度読んでみた。
行ってから読むと、いろいろ感慨深いものがある。
どうしてだか私は森村さんのことが気になって気になって。
もっと本を読みたくなって調べたら
「魔法使いとお菓子たち」というタイトルの本をみつけた。
魔法というコトバが気になる。
森村さんは、魔法を信じていたのかな?
人生後半は毎日お菓子を焼いて、
軽井沢にティールームを開き、
書くこともお菓子のことばかりになっていったみたい。
何冊か手に入れた。
どれも古本。
「カトルカー」というお菓子に目が止まる。 バナナケーキにも。
食べてみたい、
と思っていたら、偶然、ニューカレドニアでバナナケーキに巡り会えた。
お菓子に関しては、
今年に入ってからカヴンのメンバーで何人かいろいろ作ってる人がいて、
将来はお菓子の本を一緒に作ろうかと言っていたところでもあった。
不思議な縁が動き始めたように感じる。
シンクロニシティが奏でる運命の旋律。
美しいメロディが聴こえる……
とうとう自分でお菓子を焼きたくなった。 魔法のお菓子。
私にはお菓子は作れない、15歳の時からそう思い込んでいたけれど。 
どうかな?いま。
その呪縛を解くことができるかな?
まずは食べてみたい。森村さんのレシピのお菓子。
彼女はもう違う世界へ飛んでいったけれど、ちょっと待てよ。
魔法使い同士なら暗号を使えるぞ。
私は心を研ぎ澄まし、進む方角を読む。
古い本の、そのなかに、電話番号が書いてある。
この番号、今でも生きているのかしら? 森村さんのお店って….もうないだろうな。
そう思いながらも思い切って電話をかけてみたら、
受話器の向こうから「もしもし」と聞こえてくるではないか!
そのティールームは、まだあった。
「アリスの丘」という名前で、軽井沢に。
それでは行ってみようと思い、昨日、行ってきた。
まだ春遅い軽井沢。あまり人もなく。空いててよかった。
途中の妙義山….. ものすごく心惹かれる。 
てっぺんがギザギザの鍵山。
魔女の住む山みたいで怖くて素敵!
まずは旧軽井沢のあたりをぶらぶら散歩。
パンを買ったり、ジャムを買ったり。
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教会を、ひとつ….
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ふたつ…
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みっつ…
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偶然みつけた。(ふたつめの教会はずっと行ってみたかった場所!)
みっつめの教会に入って、お祈りをした。
私は教会が好き。 どうしてかな。 とても落ち着く。
今日の教会はどれも小さく素朴で古い建物。
サンピエトロ大聖堂のような豪華絢爛な教会も「おおお~」と思うけど、
こんなちんまりした感じの建物も、とても好き。
それから「アリスの丘」へ。 
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中へ入ったらひとりの女性に「いちごさんですか」と声をかけられた。
(この方が、今は亡き森村さんのあと、ここでケーキを焼いていらっしゃるのだった)
続いて、森村さんのご主人登場。
ご挨拶を。
ちょうどバナナケーキが焼き上がったところで、アツアツをいただく。
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店内は森村ワールド一色。 ファンにはたまらないだろうなあ。
天井の梁には森村さんが直接描いた絵もあるし。
作品もたくさん置いてある。
なんとな~くどことな~く私の世界に似ている。どこがってうまく言えないけれど。
似てるというか、同じ一点がある、というか。
でも違うところは全然違うな。
私は写真を撮る人間だから。
きっとそこが大きく違う。
今ではもう手に入らない森村さんの本もたくさん置いてあって感激する。
ちょっと見せてもらった。
ご主人も交えていろいろ話していたらあっという間に三時間ほど経っちゃってびっくり。
もう帰らなきゃ。
お土産にパウンドケーキを二種類。
お名残り惜しいなか、さよならをした。
お互いの姿が見えなくなるまで、手を振り合って別れた。
どんどん、どんどん、小さくなって。
見えなくなるまで。
私達の心は繋がったと思う。
繋げたのは森村さんだ。
ふしぎ。
今はもう、いない人なのに。
だからね、
いないんじゃないんだよ。
見えないだけなんだ。
それだってね、
見えるようになる方法はあるんだよ。
森村さんは魔法を信じてるのかな?と思って訪ねたけどね。
あたしわかっちゃった。
彼女は信じてるどころか、魔法を「使う」人だった。
お菓子を作る時、一番大切なことは、
最後に魔法をかけることだって….. そう書いてある作品が壁にかけてあった。
「魔法使いの弟子」に書いてある「美味しい魔法」とおんなじだもの。
くっくっくっくっ….(笑)
魔法は時空を越えて働く。 私には森村さんの声が聴こえる。
魔法使いは、皆、仲間だ。
暗号はあちらこちらに。
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帰りに「ボンジョールノ」というお店でハンバーグを食べる。
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そして、また見た。鍵山。ギザギザ怖い魔女の山。(さっきの山の裏側あたりかな?)
ここ、アリゾナじゃないよな?と思うような景色。
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さあ、お菓子を焼いてみよう!
まずは道具だよ。
カヴンのメンバーに調べてもらったら、
その昔、ピーステンピというものがあったらしい。
ガスコンロの上に乗っけて使う鉄の箱。
(昭和30~40年代に出回っていた天火。現在は製造中止)
お菓子を焼く時、
私はどうしても電気じゃなくて火を使いたいので、
そういうの、どこかにないかな~と思っていたら….
あった、あった。 
外国製の、しかもすごくへんてこりんそうなやつ。
これは魔女の道具にぴったりだよ!
さっそく注文。
届くまで楽しみ。
天火がきたら森村さんの本の通り一番簡単なお菓子を作ってみよう。
軽井沢にもまたケーキを食べに行こう。
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☆☆☆☆☆☆
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