写真家 夏野苺のブログエッセイ

天使と魔法と写真の日々

毎日のガイダンスをつぶやいてます☆

「冷たい人」

ある物事を眺めた時、
善いとかとか悪いとかですべてを決めてしまうことは難しい。
なぜなら、どんなことの中にも、
善いことと悪いことの両方が内在しているから。
ある角度からは善い側面が見えても、
また別の角度からは悪い側面が見えてしまったり。
つまり、出来事そのものには、善いも悪いもないということ。
自分のいる位置からどっちを見たいかということだけ。
見えている世界を変えるには、まず自分の内側を変えること。
自分の心を動かしていくことでしか、
世界を変えてゆく方法はないだろう。

先日の個展で、
初日の前日、搬入時に来てしまった人がいました。
正直、私はとても困ってしまったのですが。。。
というのも、
私にとって個展の搬入は、
単なる会場への荷物の運び込み作業ではないからです。
あの小屋は、
大人が三人も入ったら満員になってしまうようなとても小さな場所だけれど、
私にとっては聖なる領域。
天使との共同作業でひとつの世界を作り上げてゆく、
とても大切な場所なのです。

小屋へ到着すると、毎回、
深呼吸して、短い瞑想とお祈りをします。
それから、先に送った荷物(作品や展示小物)たちが、
壊れていないか点検し、無事に到着したことに感謝します。
その後、
どこに誰が座りたいか、作品たちにひとつずつ尋ねる作業に入ります。
この時、私は一種のトランス状態になっていると思います。
どんどん勝手に手が作品を持って棚の方へ動いて行きます。

そんな時、、、、

ふと、ドアの向こうに手を振る無邪気な笑顔を発見。
びっくりしすぎて、心臓が止まりそうになりました!
作業の手を止めて、なんとか心を落ち着かせ、ドアを開け、
「まだ終わってないし、個展は明日からです、、、」
と伝えてはみたものの、
「はい、何か食べてからまた戻ってきます」
という返答に、ため息が出ました。

戻ってくる。。。。

その時、私はどうしたらいいだろう?

考えると苦しくなるので、
私はまた作業に戻り、
とにかく作品の展示位置を決めることに集中しました。

ようやく終わった後は、
プライス表の作成や小物類の飾り付けです。

ふと目の端に、人が動く影。。。

ああ、戻ってきたんだ。

私の心はまた落ち着かなくなってしまいました。
なんとか手元に集中しようとするのですが、
最初はうまくいきませんでした。
なんといっても、小屋の中と外。距離はすぐ近く。
でも、
これもまた魔法修行と思って、
ぐっと自分の内側に入り込むと、うまくいきました。
どんどん作業が捗って、後少しで終わりそう、
という時に、ドアをノックする音が。。。。

ああ、ついに来た、この時が。。。。

「この時」とは、
私のハートが氷のように冷たくなる瞬間のこと。

まだでしょうか、、、と言われたので、
まだも何も、今日あなたがこの小屋に入れる時間は、
1秒もないですよ、とお伝えしました。
まさかこんな言葉そのままでは言いませんでしたが、
言ってる内容はこういうことでした。
そして、発する言葉と同時に、
私の瞳の色もそういうことを伝えていたと思います。
相手のハッとする表情を見て、それがわかりました。

「すみません」

と言い残し、その人は帰って行き、、、

そのあと、私はしばらく小屋の中で泣きました。
わざわざ遠くから新幹線に乗って来てくれたのです。
長く、私の活動を応援してくれている人です。
「ありがとう!特別にどうぞ!」と、
笑顔で招き入れるべきだったのではないかしら?
私は間違っていたかしら?
私は自己中心的でわがままなのかしら?
いろんな思いが心の中に浮かんでは消えて行きました。

それでも、

最後に残ったのは、
「これでいいんだ」という気持ちでした。

私はこれでいい。 これでいこう。
もし嫌われることがあっても。
応援してくれる人がここでひとり消えてしまうとしても。
私は私だ。

初日に、一番乗りを楽しみにしている人もいる。
結界を張って展示作業をしている場所に他者を入れてしまうのは、
私の譲れない世界に異質なものを入れてしまうことになる。
境界線が脅かされてしまうと、
もうそれは純粋な私の世界ではなくなってしまう。
そのことを、もし、
理解できない、大袈裟だという人がいるとしたら、
その人とはもう合わないだろう。
我慢して付き合い続けることもない。

この先には、ますますの孤独が待っているかもしれないけれど、
やっぱりこのまま行こう。
こうして私はOLの頃からやってきたんだもの、
なんとかここまで。

私は、私を守る。自分の世界を守り続ける。
だからあの写真が撮れるんだもの。
だからあの人形たちが生まれるんだもの。
だから天使の声が聴こえるんだもの。。。

ここまで自分の思いがたどり着いた時、
私の涙はもう乾いていました。
そして、くるりと見渡せば、
小屋の中に誕生しているワンダーランド!
翌日からの個展がとても楽しみになってきました。^^

さて、この個展フライングちゃん。(←あの人にこんなあだ名をつけてみた!)
その後どうなったかというと、
あれからすぐに「お詫びのメール」なるものが届きました。
そして、
先日のまほうshopで、見事、
ひとつだけ残っていたアンクレットを手に入れたのです。

私は胸が熱くなり、また泣いてしまいました。
今度の涙は、苦悩の涙ではなく、喜びと感激の涙です。

天使は、見放さなかったのです、私たちを。

私の冷たい決意も。

あの人の無垢な間違いも。

すべて大きく包み込んでくれたのでした。

☆先日のまほうshopでの不思議な出来事はこちらをクリック☆
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